タイロッドはステアリングに関わる部品。このボルトが抜けてしまい、ステアリングがきかない状態になり、緊急ピットを余儀なくされたのだ。
約23分にわたり続いたセーフティカーランの間にUPGARAGEのマシン修復は完了し、リスタートの際にレースに復帰。しかしセーフティカー中にピットインを行ったことによりペナルティを受けることになり、トップ争いから脱落することとなった。
さらに、3番手を走っていたD’station Porscheは、セーフティカーが入ったあたりで4回目のルーティンピットを予定していたため、残りのガソリン量が心配されたが無事セーフティカー解除と同時にピットインを行っている。
2回目のセーフティカーランの最中に、レースは周回数を100周を突破。GT500クラスの103周目(GT300クラスは95周目)からレースがリスタートすると、緊急ピットインをしたUPGARAGE 86に代わってトップに立ったLEON AMGがペースを上げる。
LEON AMGの蒲生は、2番手以下が2分3秒~4秒台で周回するなか、2分1秒台=2秒台のタイムで周回。2番手のVivaC 86を引き離す。
迎えた4回目のピットイン。先にピットに入ったのはLEON AMG。その後105周で入ったVivaC 86はタイヤ無交換作戦を敢行する。約34秒の作業時間でコースインすると、このピット戦略が功を奏し、LEON AMGの前でレースに復帰することに成功。実質のトップに浮上する。
GT300クラス周回数116時点での順位はトップがVivaC 86。これにD’station Porsche、LEON AMGが続く展開。義務付けられているピットインは残り1回。
トップのVivaC 86をドライブする山下は、82周目から履き続けているタイヤでコンスタントに周回を重ねた。2分2秒~3秒台と充分な速さでトップをキープ。5回目のピット作業を終え、事実上のトップに立った。
しかし、このトップは争い終盤になってスプリントレースさながらの戦いに発展する。
4回目のタイヤ無交換作戦で、トップに立ったのはVivaC。スタート直後の1周でピットインするという変則のピット作戦を見せたLEON AMGだったが、タイヤを交換せずピットストップの時間を短縮したVivaC 86に順位を奪われる。
しかしこのトップ争いには、最終盤にさらなるドラマが待っていた。