では、明日の決勝レースはどんな展開になるだろうか。「もちろん勝ちたいですよね」と岡澤監督は言う。ただ、長い直線区間があるこのチャン・インターナショナル・サーキットのコースでは、Hitotsuyama Audi R8 LMSにとってもしドライになってしまうと、防戦一方になる可能性もある。よって、Audi Team Hitotsuyamaにとっては、今日のような“チョイ濡れ”がベストだ。これは5番手につけた同じダンロップのSUBARU BRZ R&D SPORTも同様だろう。

 一方、もう少し降ってほしいか、完全に晴れて欲しいのはブリヂストン勢だろう。今回3番手につけているARTA BMW M6 GT3は、マシンとしても相性がいい。また、2番手につけたJMS P.MU LMcorsa RC F GT3も、ひょっとするとタイは相性がいいマシンなのかもしれない。一方、ブリヂストンはドライでも速く、LEON CVSTOS AMGが追い上げをみせ、最終戦もてぎに向け優位にシリーズを運ぶ可能性もある。

 そして「晴れたら勝ちにいく」というのは、グッドスマイル 初音ミク AMGの河野高男エンジニアだ。ヨコハマ勢は、ウエットとなるとライバルからやや遅れてしまうが、ドライとなれば強さがありそう。実際、ドライを願っていたのは間違いなく、Q2ではグッドスマイル 初音ミク AMG、そしてStudie BMW M6、B-MAX NDDP GT-Rがスリックでコースイン。Studie BMWとグッドスマイルはウエットに履き替えたが、B-MAXはスリックを履き続けた。ちなみに、グッドスマイルはかなりマシンも決まっているようで、4番手は「谷口(信輝)の意地だろうね。チームみんなが今回は勝ちたいと思っているし、ドライなら勝てる」と河野エンジニア。

 惜しかったのはStudie BMW。公式練習で最速タイムをマークしながら、セッション終了間際にミッショントラブルが起きてしまった。予選までに修復はできたものの、Q2ではアタックのタイミングが少なくなってしまい11番手に。それでも、得意なコースだけに、もしドライになれば追い上げも期待できるだろう。また、ウエットに泣かされたのはヨコハマのJAF-GT勢も同様だ。

 晴れか、雨か……それともチョイ濡れか……!? スーパーGT第7戦タイの決勝は、天候によって大きく左右されそうな予感がある。それも、このタイでのウエットのデータは、これまでほとんど降ったことがないだけに、各チームとも極端に少ない。異国の地で、これまでにないような大混戦が待っているのかもしれない。

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