レースはセーフティカースタートから開始され、わずか1周の先導でグリーンシグナルが点灯されることとなった。予想外だったのは、グリッド上での印象以上にコースは濡れていたことで、佐々木選手はずるずると順位を落とし、6周目にはウェットタイヤを装着するトップに周回遅れとされてしまう。
だが、10周もするとタイヤの違いによるタイムが逆転するようになり、そこからは佐々木選手の真骨頂が発揮。やがて同一周回に戻すとともに、上位との差も周回ごと秒単位で詰まっていく。本来ならば規定周回ミニマムの20周前後まで走り続けたいウェットタイヤ勢も、堪えきれず続々とピットに戻ってくる中、佐々木選手の順位も自動的に上がり続ける。
36周目になってようやく『#30 TOYOTA PRIUS apr GT』はピットに戻ってきて、佐々木選手から永井選手にスイッチ。その間に4番手にまで浮上していた。だが、いざコースに戻ってみると、スタートからしばらくの間に抱えた遅れは、予想外に響いていて17番手での折り返しに……。
45周目にポールポジションを獲得して序盤のトップを走っていた『アウディR8』が、電気系トラブルで戦列を離れたことから、永井選手はひとつポジションをアップ。この頃には前も後ろも離れた状態であったことから、永井選手はタイムの安定を心がけるように。1分36秒台でコンスタントに周回を重ねられたこと、そして何よりノートラブルで走り続けられたことは自信にも、そして前回までの不安材料の一掃にもつながったはずだ。
今回の『#30 TOYOTA PRIUS apr GT』の最終結果は16位。しかしながらトップから1周遅れに留めたことで、チームランキングではしっかり3ポイントを獲得した。残す戦いはツインリンクもてぎでの最終戦のみ。
ここで来シーズンにもつながる走りを見せて、すっきりとシーズンオフを迎えられたら最高である。
