44周を終えたところで2番手のWeds RC Fがピットインし、関口から国本雄資に交替。一方、DENSO RC Fは46周終わりにピットへ。こちらは素晴らしいトップ争いを演じたコバライネンから、平手晃平にバトンタッチ。ピットを後にするが、背後にはフォーラムエンジニアリング GT-Rの佐々木大樹が接近。DENSO RC Fはアウトラップでタイヤが温まっていないこともあり、レインボーコーナーを抜けたところでトップを奪われてしまう。
しかしその後、タイヤが温まると平手もペースアップ。すぐに追いつき佐々木に勝負を挑んでいった。平手は馬の背コーナーで並びかけようと接近する。一時は押され気味だった佐々木だが、徐々にペースを取り戻し2.7秒まで平手との差を広げる。
これで決まりかと思われたが、残り11周というところで平手が再び接近。さらに3番手のZENT RC F立川祐路と4番手のWAKO’S RC F大嶋和也、そして5番手のWedsSport RC F国本雄資も追いつき、残り10周を切ってトップ5台が2.5秒以内で優勝をかけてバトルをするという、SUGO戦では前代未聞の混戦になった。
そして残り6周、佐々木が最終コーナーでGT300に引っかかったところを平手が抜きにかかり、そこに3番手の立川も加わり、一瞬3ワイドになりかけそうなバトルになった。佐々木はトップを死守したが立川が平手を1コーナーでパスし2番手に浮上。その直後に最終コーナーでアップガレージ・バンドウ86の山田真之亮が大クラッシュ。76周目に赤旗が出された。幸いドライバーは無事で自力でマシンを降りていた。
赤旗により、ストレート上に両クラスのマシンが分けて停車。レース再開について協議されたが、選手権ポイントがフルポイント与えられる条件である全体の75%を超えていたこともあり、そのままレース終了。フォーラムエンジニアリング GT-Rが今季初優勝を飾った。なお赤旗によるレース終了の場合は2周前の順位が採用されるため、2位はDENSO RC Fでコバライネン/平手組で前回に続く2位表彰台。3位はZENT RC Fとなり、立川のオーバーテイクは幻となった。
KONDO RACINGにとっては、昨年の第4戦富士以来となる優勝。タイヤ無交換の大英断を下した近藤真彦監督も「SC中にドライバーとヨコハマタイヤのエンジニアと相談して、最終的には僕が決めました。本当にタイヤもよかったし、ふたりのドライバーが本当に素晴らしかった」と満面の笑みをみせると、佐々木は「監督のギャンブルは良く外れるので」と突っ込み、近藤監督も爆笑するシーンが見られた。
今年のSUGO戦はスタートからレース終了まで、とにかく抜きつ抜かれつの目まぐるしい展開で、例年以上に緊張感の高いレースとなった。