■開幕戦の本命はJAF-GT勢か。ロータスも速さを取り戻す
そして、こちらも冒頭の谷口の言葉にもあるとおり、GT3勢が「絶対に開幕は来る」と予想するのがJAF-GT勢だ。平手晃平加入でスピードアップが望め、上位進出が予想される31号車TOYOTA PRIUS apr GT、さらに30号車もトラブルが減ったことでこちらも怖い存在。そしてライバルたちが警戒するのが2日目午後のトップタイムをマークしたSUBARU BRZ R&D SPORTだ。
「今回のテストでは良いところと悪いところのメリハリがすごくあり、悪い部分はとても厳しい状況なのでこれをどう改善していくかが今後の課題」と山内英輝はコメントを残しているが、スピードは向上している様子。ただ、鈴鹿でも岡山でもトラブルが起きているのが気になるところだろう。
今季は小林崇志が加入し、速さに磨きがかかると予想されるのがUPGARAGE 86 MC。鈴鹿ではテストには参加せず、ファン感謝デーで1時間の走行を行ったが、ここでマークされたタイムはライバルたちを大いに警戒させた。ただ、「鈴鹿では良かったんですが、岡山ではいまひとつ(小林)」と圧倒的なタイムをみせるには至らなかった。とはいえドライバー力とチーム力で、開幕までに上位に来ることも予想される。
同じくマザーシャシー勢では、シンティアム・アップル・ロータスが2日目午前にトップタイムを記録した。チームの渡邉信太郎エンジニアに聞くと、「今季はモノコックそのものを替えていますし、全部バラバラにしたので、ボディ以外はほぼ新車の状態です。エンジンもギヤボックスも新品にしました」という。
ロータスは昨年まで、相次ぐクラッシュによりモノコックを含めて各部に損傷を負っており、「つじつまが合わない状況」になってしまっていたという。ただ、実質新車になったことで、ドライバーからのインフォメーションやトラブルの解消、セッティング感度の向上など、大幅にパフォーマンスアップ。今回の岡山公式テストはトラブルフリーだったことで、タイヤの開発も進んだようだ。
開幕戦岡山でも要注目の存在だが、渡邉エンジニアは「オーナー次第(苦笑)」と、Aドライバーでオーナーでもあり、年齢を感じさせぬ挑戦を続ける高橋一穂に“プレッシャー”をかけていた。



