伊沢も、この3戦でのクルマの感触の変化を語る。

「第2戦はNSXのなかでは良い方だと思っていますし、その流れで今回、セットアップを含めて持ち込んだものが相当、うまくいったという手応えはあります。クルマも去年から今年にかけて大きく変わっているので、僕だけでなくチームもそれを理解して、ドライバーの好みに合わせてもらいました」

「これまでちょっと出遅れたところはあったんですけど、ここに来て、僕と野尻選手の好みをどうしたらクルマで表現できるのかというのが分かってきたのかなと。今年、テストを含めていろいろ走行を重ねてきたなかで、やっとひとつの答えが見えてきたのかなと思います」と伊沢。

 この鈴鹿では持ち込みセットアップ、予選、そして決勝と「車高を1mm変えたかなくらいほとんど変えていないです。持ち込みのセットアップからバッチリでした」と伊沢が話すように、クルマをピンポイントで合わせられたのも、チームとエンジニア、そしてドライバーがそれぞれ同調してひとつの方向に進められた結果なのだろう。

 伊沢自身、昨年まで在籍していたRAYBRIG NSX-GTからARTAに出戻り移籍となり、心に秘めるものがあったに違いない。今年で34歳を迎える伊沢は、スーパーフォーミュラ(SF)でもチームを移籍し、ホンダ陣営のなかではもうベテラン中のベテランとなりつつある。

「チームが変わって、流れが変わるのはこの職業ではよくあることですし、SF、GTといい流れが来ているなかで、今回のようにきちんと結果を出せたということが一番、自分にとって大きなことだと思います」

「ただ、昨年から今年にかけて自分のドライビングがなにか変わったというわけでもないので、いろいろな巡り合わせが良かったなと思います」

 特に気負うところなくレースに臨んでいるが、これまでさまざまな苦労を重ねてきた伊沢の強さか。ただ、今回のレースは相手が昨年まで在籍していたRAYBRIGで、しかもレース後半の相手は伊沢がその実力を誰よりも認める山本尚貴。レース前半を担当して新たなチームメイト、野尻にステアリングを託した後、伊沢はどのような心境でレース後半を見ていたのだろう。

■レース後半は「1回、寝ようと思ったくらい見たくなかった」

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