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スーパーGT ニュース

投稿日: 2018.09.05 23:43
更新日: 2018.09.05 23:51

鈴鹿10時間:Modulo Drago CORSE、『10時間シェイクダウン』で多くの収穫を得る

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スーパーGT | 鈴鹿10時間:Modulo Drago CORSE、『10時間シェイクダウン』で多くの収穫を得る

■レースではさまざまな経験を得る

 レースでは最終的に、21位という結果に終わった。途中燃料系のトラブルがあり、ショートスティントで繋ぐ必要があったこと、そしてオーバーステアに見舞われていたことから、この結果は致し方ないところだ。

 ただそれでも、Modulo Drago CORSEにとっては収穫もあった。特に大津は、スーパーGTを含めて2回目となるスタートを担当した。ちなみに今回はヨーロッパスタイルのグリーンシグナルが点いた瞬間から追い抜きができるスタート形式だ。

「気持ちとしては自分が当たっていくような気持ちでいって、混戦はうまく抜けることができました」という大津だったが、序盤混戦のなかで他車とヒット。ペナルティをとられてしまう。

「日本のドライバーだったら引くかラインを残すんですが、中途半端に抜きにいったのが良くなかったのか、まさかのペナルティでした。相手を知らないわけで、それもやっぱり世界戦を戦う難しさなのかな、と思いましたね」と貴重な経験を積むことができた様子。

「いちばん難しかったのはタイヤの使い方で、ここまでマネージメントしなければいけないのかと。スーパーGTのタイヤでも長時間走りますが、グリップは高いし、それを見越して作っている。でもピレリは、本気で走ったら30分でなくなってしまう。スタートのときは混戦で使ってしまうので、15周くらいでなくなってしまう感じでした」

 また小暮も、「楽しかったのは楽しかったんですけどね。疲れました(笑)」と初めてのGT3でのレースを振り返った。

「上位とのペースの差は仕方ないです。NSXにあのタイヤが合っていませんでした。チームは頑張ってくれましたけど……。NSXは素性がいいのに、もったいないですよね。でも一度装着して走ったことで、いい方向にいくんじゃないでしょうか」

■「NSXのポテンシャルも上げなければ」

 小暮も大津も、そして道上も、「来年も出たいです」と初めての鈴鹿10時間を経験したことで、ふたたび情熱を燃やしはじめたようだ。

「また出場してみたいですね。このタイヤを攻略して上位を狙ってみたいです」と大津は言う。

「メカニックの皆さんも大変な思いをされてきたので、レースが終わって握手したときには、僕が言うのもなんですが感動しましたね。ウルッときました」とスーパーGT第5戦富士からの“復活劇”にチームの一員として感じるものがあったようだ。

 そして道上も、「10時間シェイクダウンみたいな感じでしたね(笑)」という。

「富士でああいう事故があって3週間。まずクルマがなければこのレースに出られなかったですし、JASモータースポーツガすぐに日本に送ってくれたので、そこにまず感謝です。それに新車はトラブルが出やすいのに、しっかりメンテナンスしてくれたチームにも感謝しています」とタイトなスケジュールのなかで、レースに間に合わせたチームスタッフへの感謝を語った。

 また道上は、「海外の連中はこのタイヤを知り尽くしているし、今回の上位チームは、こういう長時間の耐久レースに慣れていると感じましたね。昼も夜もスピードは関係ない。あれだけバトルできるのは目もいいんだろうし」と今回のレースを分析してくれた。

「WTCCのときもそうでしたが、それぞれそのカテゴリーの強者がいますね。彼らがスーパーGTに来てすぐ通用するかといえばそれはないと思うし、それぞれのカテゴリーでの得意があると思うんです」

「鈴鹿がこうしてGT3の世界戦をやってくれましたが、今回僕たちはギャフンと言わされてしまった。NSXのクルマそのもののポテンシャルも上げなければいけないと思います。僕たちはスーパーGTでは富士は得意ですが、それだけじゃない、どんなタイヤを履いても、どこを走っても強いクルマを作らなきゃいけないと思っています。海外勢は、そこに幅がありますね」

 今季からチームとして活動を開始したModulo Drago CORSE。数々の困難を乗りこえて迎えたチーム初の世界戦は、チームにとっても、GT3活動を本格化させるホンダにとっても、その価値があるレースとなったのかもしれない。レース後、3人のドライバーが疲れた表情を浮かべながらも、どこか嬉しそうにレースを振り返っていたのが印象的だった。

Modulo Drago CORSEから鈴鹿10時間を戦った大津弘樹
スタート前には、Honda Team MOTULとModulo Drago CORSEのドライバーたちがともに写真に収まるシーンも


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