グリッドで隊列を整えての再発進で、カルソニックGT-Rがスタートできない素振りを見せるなどやはりマシンコンディションに不安を感じさせつつ、残り6周でリスタート。4番手のZENT CERUMO LC500に16号車MUGEN NSX-GTが並びかけ翌周には石浦宏明を攻略しポジションアップ。首位争いは大きな変動なくバトンがトップを堅持していくと、残り3周時点で野尻がパッシングを浴びせながらテール・トゥ・ノーズに。

 KeePer TOM’Sの平川亮が追突を受け、64号車Epson Modulo NSX-GTのベルトラン・バゲットは単独と、周回遅れ勢が相次いでクラッシュを喫するなか、首位2台のマッチレースに注目が集まったところで、S字カーブで一般車のような白いプリウスアルファがライン上を走行し、トップのRAYBRIGバトンが引っかかってブレーキング。トップの2台の差が一気に縮まる。プリウスアルファはドクターカーだったようで、レース後、運営側で大きな問題となっている。

 さまざまなトラブル、アクシデントが交錯するなか、ファイナルラップを無事に切り抜けた元F1王者の意地を見せたバトンがトップチェッカー。2番手のARTAに0秒562差でルーキーイヤーでのスーパーGT初優勝をマークた。2位にARTA NSX-GT、トラブルをしのぎ切ったカルソニックGT-Rが最後の表彰台を死守した。

「SUGOのドライビングに関して、みっちりと勉強になるほどタフな展開だったよ」と、マシンを降りて安堵と喜びの表情を見せたバトン。

「僕も12号車と同じようにコースオフしたけど、クラッシュせずに戻れてラッキーだった。午後は気温が下がってミディアムでは少し厳しかったけど、チームのおかげで最高の結果が残せた」

 いよいよ終盤戦を迎えるスーパーGTの2018年シーズン、次戦はオートポリスでの第7戦。ウエイトハンデ半減の条件となるだけに、ハンドリングコースでホンダ勢がリードを広げるか、レクサス陣営が息を吹き返すか、それともニッサン陣営が底力を見せるのか。こちらも10月に時期を移しての開催となるだけに、最後の最後までドラマチックな展開が待ち受けていそうだ。

ワン・ツーを飾ったRAYBRIG NSX-GTとARTA NSX-GT
ワン・ツーを飾ったRAYBRIG NSX-GTとARTA NSX-GT

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