22周目をピークに、ほとんどのチームがピットストップに入っていた。タイヤ交換後のマシンの方がタイムが良ければ、ピットタイミングを遅らせてコース上に残った方はピット作業後に順位を下げてしまうアンダーカットになる可能性が高い。だが、7~8秒のギャップではRAYBRIGとしては自分たちが先に四輪交換をしてしまうと、あとからKeePerがタイヤ無交換をした場合、一時的にポジションを奪われてしまうことになる。

「1号車より先に動きたくはなかった。『1号車、先に動けよ!』という心境だった」とRAYBRIG伊与木エンジニア。そしてもうひとつ、伊与木エンジニアはレクサス陣営のチームプレーを警戒していた。

「ウチがもうひとつ危惧していたのが、トヨタが他のチームのマシンをタイヤ無交換にするという可能性です。(タイトルに関係のないレクサス陣営のマシンが)ウチの前に出されて前を塞がれたらマズイ展開になる。ですので、前半で他のトヨタ車の前に出られないような位置までマージンができればいいなとも思っていた」
 
 一方、6番手スタートからRAYBRIGの背後となり、直接対決の接近戦に持ち込むことができたKeePerの小枝エンジニアは当初、RAYBRIGにピットタイミングを合わせる方針ではなかった。

「最初に22周目くらいにピットに入れようと考えて入れかけたんですけど、36号車(au TOM’S LC500)がピットに入るというのもあり、100号車もピットに入る様子がなかったので様子を見みました。タイヤ的にもグリップが落ち着いていて、リスクはあるけどタイヤ無交換ができないわけではないというのをニック(キャシディ)から聞いていました」と小枝エンジニア。

 その時点で、小枝エンジニアはタイヤの無交換作戦を決断し、メカニックに指示を出した。

 しかし、その直後、状況が急転した。

 25周目、26周目と同じようなラップタイムを刻んでいたが、それまで1分42秒0のタイムを並べていたキャシディのタイムが、27周目に1分42秒3、28周目に1分42秒6と突然、落ち始めたのだ。2台の差は7秒4から8秒8、そして9秒4と広がった。そのタイミングを、RAYBRIG伊与木エンジニアは見逃さなかった。

■RAYBRIG四輪交換ストラテジーの根拠、KeePerの誤算

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