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スーパーGT ニュース

投稿日: 2018.11.16 13:40
更新日: 2018.11.16 13:42

新風を吹き込んだ実力派ローゼンクヴィスト。GTへの想いと日本ラストランでチームに驚きのプレゼント

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スーパーGT | 新風を吹き込んだ実力派ローゼンクヴィスト。GTへの想いと日本ラストランでチームに驚きのプレゼント

 最終戦のチェッカー後、パルクフェルメがタイトル争い決着の歓喜に包まれていた頃、LEXUS TEAM LEMANS WAKO’Sのピット内には、後半スティントを走り終えたばかりの大嶋も含めたチームスタッフたちの集合の輪が生まれた。その中心には、ローゼンクヴィストがいる。

「僕たちにとってはハードなシーズンだったと思う。でも、みんなのハードワークに感謝している」。輪のなかで、彼はこういった想いを仲間たちに伝えているようだった。

 脇阪寿一監督からは「フェリックス、ありがとうございました!!」という感謝の言葉が。スタッフたちからも「インディに応援にいこうか!」などの声が飛ぶ、別離のとき。ローゼンクヴィストは速さだけでなく、その謙虚で真摯で明るい振る舞いでも、チームから愛された。そして彼は、用意してきた自分のヘルメットをチームへの置き土産として渡す。

 やがてチームの輪から離れ、シリーズのグランドフィナーレに向かうローゼンクヴィスト。歩きながら、「今日はいいスタートが切れたし、10番手スタートからの6位フィニッシュだから、わるくないレースだったと思うよ」と語り、さらに「ただ、シーズンとしてみたら、我々のチームは(山田健二エンジニアの急逝など)いろいろと厳しいことにも遭遇した。望んだリザルトを得られたシーズンとは言い難い。こういう辛い時期を過ごしたあと、みんなに良いことがあるよう祈っている」と、ヘルメットに込めたであろう想いを話してくれた。

 おそらく彼はインディカーでも活躍し、それこそチップガナッシで今年5度目の王座を得たスコット・ディクソンの後継者として北米の帝王になっていく可能性だって充分にあるだろう。もちろん彼も新天地での成功に向けて邁進するわけだが、「でも、100パーセントのグッドバイを日本のファンに言うつもりはないよ。応援してくれたファンのみんなには本当に感謝している」。

 ガナッシ入りが決まった直後にも、日本のファンが祝福すると同時に寂しく思うだろう、と言うと、「僕はまだ若いし、またいつか日本でレースをすることがあるかもしれないじゃないか」と、彼は笑顔で話していた。彼もまた、日本のレースを愛してくれていたようだ。

 繰り返しにはなるが、もちろん彼がこれから目指すのはインディカーでの成功であり、日本に戻りたいわけではない。そこは誤解なく願いたい。そして来季の目標について金曜日に聞いたとき、彼はこう語っていた。

「なにしろタフなチャンピオンシップだし、自分にとってのニューコースもいっぱいある。学ぶ必要があるよ。シーズン順位(の目標)については自分でも分からないというか、言うのが難しいけど、レースでの優勝を最初の年の目標にしたいと考えている。2週間ほど前にアラバマのバーバーでテストをしたんだ。感触は良かったし、ドライブを楽しめたよ」

 新天地に羽ばたくフェリックス・ローゼンクヴィスト。その活躍を、日本で彼と関わりをもったレース人やファンの多くが期待している。


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