「今週、気温が想定以上に高くなったからか、GT-R全体にとって厳しい状況になったと思います。4台のうち3台がQ1で落ちてしまって、ウチもギリギリQ2に残れたような状況でした。クルマのフィーリングが何かこれまでのテストの時と違っていて、GT-Rのパフォーマンスを出し切れなかったと思っていますが、その原因がどの部分なのかは正直、まだよく分かっていません。逆にレクサス陣営はクルマなのかエンジン面なのか、この気温にうまく合わせ込めていたような印象がありますよね」と、苦労した1日を話す佐々木。
「アタック自体はQ1でジェームス(ロシター)が8番手だったので、上位を狙うにはポテンシャルは厳しいことは分かっていました。そのなかでも少しでもポジションを上げるにはかなりプッシュしないといけないと思っていたので、デグナーでも少しジャンプするくらいプッシュしたので、ロスした部分も少しありますが、8番手から4番手に上がれたのはポジティブだったかなと思います。明日はまた走ってみないとわかりませんが、ウチはレースに向けてのタイヤ選択には手応えがあります。これまで2戦はいいレースができていないので、明日はベストを尽くしていいレースができるようにしたいですね」と決勝への自信を見せた。
また、WHが12kgで優勝候補の1台に挙げられていたKEIHIN NSX-GTはQ2を担当したベルトラン・バゲットがセクター4のシケインでミスをしてしまい、Q2最下位の8番手となってしまった。Q1を担当した塚越広大が振り返る。
「朝のセッションからクルマのバランスをいろいろ調整していくなかで、午前中は思うようにタイムが伸びなかったのでセットアップを変えてQ1は僕が担当しましたが、クルマの方向は良くなりました。バゲットのミスがなければ、クルマはトップ2台までは行けなかったですけど、8号車と同じかその前、3番手くらいのパフォーマンスはあったと思います」と、悔しがる塚越。
「明日は少し後ろからのレースになるので難しいですけど、タイヤマネジメントがポイントになると思いますので、しっかりと最後まで攻められるクルマに仕上げたいと思います」と決勝に向けての抱負を語った。
今回の予選上位陣の傾向を見ると、37号車KeePer、そして8号車ARTA、そして17号車KEIHINに共通しているのは、今年進めてきた持ち込みのセットアップをフリー走行で見切りを付けて、大きく変えた点だ。予想以上の高気温になったことを受けて、午前中を終えて午後の予選に向けて、大胆にクルマを変えてそれがコンディションにマッチさせたところが今回の予選の好結果につながったといえる。
クルマのセットアップの感触と選択したタイヤを考慮すると、トムスの2台は鉄板ともいえ、3番手以下から抜きんでている状態に見える。このまま決勝もトムスのチーム内バトルで展開するのか、それとも3番手以下で躍進するチームが出てくるのか。これまでの2戦が雨絡みであまりに順位変動の大きいレース展開だっただけに、予選日と同様のドライコンディションが濃厚の決勝日、果たしてトムスがそのまますんなりとフィニッシュするのか、悩ましいところだ。