こう語る水村さんにチームマネージャーに必要だと思うスキルを聞くと、「コミュニケーション能力ですね」という答えが返ってきた。多忙ななかでもチーム全体の配慮を忘れずチームを円滑に回していかなければならない。
「来て頂けるスポンサーさんやお客さんに、どれだけサーキットという現場を楽しんでもらえるかが、チームの運営体制向上につながったりするので、(コミュニケーションを)メインに考えています」
「スポンサーだけでなく、チームともしっかりコミュニケーションをとり、両方をバランスよくとることが必要だと思います。パソコン作業のエクセル、ワードなども必要なスキルですね。私は苦手なんですけど、やりながら覚えていっています」
バイリンガルの水村さんは「今まで携わってきたチームの外国人ドライバーは、窮屈そうにしてシーズンを終えていくのを何人か見たので、そういう思いをさせたくはなくて、英語でコミュニケーションをとってあげます。スーパーGTも国際化しているので(英語のスキルも)あった方がいいと思います」という。
将来、チームマネージャーを目指す人に向けて、水村さんは「レースを好きでいることが一番だと思うので、どれだけの人がチームに関わっているなどを知っておくといいです」とアドバイスする。
「どういう時に、どう気を配って、(雰囲気を)調整するべきかを知らないと、うまく務められません。お客さんとしてサーキットに来るとなかなか見えない部分も多いかも知れませんけど、レースの現場で働いている人をちゃんと見ておくといいですね」
そんなチームマネージャーの給料は、「一般的なOLよりは少し良いくらい」だという。水村さんは、スーパーフォーミュラのオフィシャルステージMCなども兼業しているため、「貯金もできるくらいです」と語った。
最後に水村さんにとってチームマネージャーとはどのような仕事かを尋ねると、「レース好きにとってはすごくやりがいのある仕事です」と答えた。
「稼働している時間が長いので、体力はないと辛いですし、自分のためにやる仕事ではないので、やりがいを感じていないと続けられない仕事ですね。やっていて本当に楽しいですし、いろんな仕事をしてきましたけど一番やりがいを感じていますよ」
レーシングチームの一員になることに強い憧れをもつ人は少なくないだろう。チームマネージャーは、事前準備からレース後までの多数な作業をこなすことはもちろん、チームに気配りができ、コミュニケーションをとれる能力が必要だとわかった。「すごくやりがいのある仕事」と水村さんが語るようにチームマネージャー職のやりがいは十分。レースが好きで、誰とでもコミュニケーションがとれる自信のある人は、目指してみては。