更新日: 2020.08.21 20:14
悔しさを糧に野尻「自分の道を進んでいければいい」巻き返しが期待されるARTA、ZENT、MOTUL【第3戦鈴鹿プレビュー】
GRスープラも富士でのパフォーマンスの高さがあったとはいえ、この鈴鹿も決して不得意としているわけではない。ただ、38号車ZENT GRスープラに関してはまた、個別の事情がある。
「開発車のデータから各チーム、そこからどうやってもっと速くしていくか、いろいろトライしているわけなんですけど、その速いところにまだ行けていない。今年のスケジュールではテストがないのですけど、レースウイークの中でトライしていくがなかなか難しい。時間の制約があるので、トライがしずらい状況ですよね」と石浦。
ZENT GRスープラは開幕前のテストで細かいトラブルやアクシデントが発生してし、それが他のGRスープラ勢との差を作ってしまった一因でもあった。
「38号車は開幕戦前などにちょっとした不具合があって、その不具合に合わせて違うメニューをしてしまったりがありました。3月くらいまでの流れを一度、ぶった切ってしまっているところがあって、それが開幕してから響いてしまったので、自分たちドライバー側も反省もしています」
「やはり、新しいことにトライするには、しっかりとした流れが大事だと思っているので、そのあたりを踏まえて今回は組み立てて行こうと話しています。今までと変えている部分があるので、土曜の走り出しの練習走行が大事になると思います」と石浦。第3戦ながらも、ここで大量ポイントを獲得しなければチャンピオンシップは厳しくなる。土曜の走り出しのZENTのポジションが気になるところだ。
また、ARTA、ZENTと同様に今回の鈴鹿がチャンスになるが、#23MOTUL AUTECH GT-Rだ。前回の第2戦富士では決勝中にエンジンのトラブルが発生してしまい、予選5番手を獲得していながら決勝は9位に後退してしまった。MOTUL AUTECH GT-Rのロニー・クインタレッリが話す。
「今シーズンは2戦を終えてまだ表彰台がないので、まずはいい予選、スタートをして表彰台に乗りたいです。前回は僕のスティントでは大丈夫だったのですが、後半のスティントでちょっとエンジンのトラブルがありました。鈴鹿では私たちがチャンピオンを獲っていた頃はウエイトハンデを搭載して重い状態でフラストレーションが溜まっていましたが、今回、こんなにいい条件(ウエイトハンデ4kg)で鈴鹿を迎えられるのは初めてじゃないかな(苦笑)。このウエイトを是非活かして、まだまだ前向きに全力で頑張りたいです」とクインタレッリ。
クルマの手応えも開幕戦、2戦目と向上していることを実感している。
「やっとセットアップの方向性を掴めてきました。もちろん、まだ他メーカーと比べて戦闘力が足りない部分があるのだけど、私たちのなかでは、開幕戦まではちょっとチャレンジして良かった/悪かったところがあって。第2戦はだいぶまとめてきたと思いますね」
「開幕戦のときは小さいコーナー、富士のセクター3が良くなかった。去年まではウチが強いところだったけど、開幕戦であまり良くなかった。第2戦のときは予選でセクター3が良くなって、去年よりはまだ余裕がある感じではないけど一応負けなかった。第2戦では小さいコーナーのメカニカルグリップが良くなってたし、そういった意味で今はセットアップのベースを見つけてきたから、良い方向に進んでいると思います」とクインタレッリ。
MOTUL AUTECH GT-Rだけでなく、カルソニック IMPUL GT-Rも第2戦で速さを見せていただけに、ウエイトハンデが軽いこの鈴鹿で、GT-Rの巻き返しが期待できるかもしれない。MOTUL AUTECH GT-Rは第2戦の決勝でのエンジントラブルで、この鈴鹿ではシーズン2基目のニューエンジンを投入してきたという情報もあり、こちらも土曜の走り出しの状態が気になる。
サーキットが鈴鹿に変わって、これまで不本意な結果に終わったチームの巻き返しはどこまで見られるのだろうか。事前の情報では決勝は雨の予報もあったが、晴れ/ドライの方向に変わりつつあるとのことで、真夏の鈴鹿の戦いに相応しい熱い戦いを見ることができそうだ。