■決勝
●ウォームアップ走行

 25日(日)11時40分から開始されたスタート前20分間のウォームアップ走行は、朝方は冷え込んだものの日が照り路面温度も上がったドライコンディション。気温20度/路面温度31度。燃料を多く積んだ状態で、まず中山がクルマとアウトラップの確認のため1周走行。続いてスタート担当のヘイキが2周目から決勝ペースの確認を行った。ウォームアップ走行は、トータル10周を走行して、1分51秒273の13番手となった。

●決勝レース
第1スティント:レース巧者のヘイキがペースに苦しむも懸命のドライビング

 25日(日)13時決勝スタート時点は気温20度/路面温度32度のコンディション。14番グリッドから威風凜然に勝利を目指していったヘイキが駆るDENSO KOBELCO SARD GR Supra。ソフト側タイヤの選択であったが、スタート直後からウォームアップに苦慮し、前とのギャップが広がってしまう。

 その後、タイヤが温まり徐々にペースが上がり、うまくGT300車両をかわしながら、8周目に14号車をパスして14位に順位を戻すと、前とのギャップを削っていくレース巧者のヘイキが懸命のドライビングを見せる。だがWHの影響もあってペースが鈍る苦しい展開に。

 18周を過ぎると他車がピットインを始め、ピット回りが慌ただしくなると22周目にGT300クラスのコースアウト車両があり、SCが導入される波乱が起こる。騒然となるなかで、脇阪寿一監督の的確な判断でSC導入でピットクローズドになる直前ギリギリにピットにヘイキを滑り込ませた。

第2スティント:SCを利して8位にジャンプアップもWHの影響で11位フィニッシュ

 混乱のなかで、いつでもピット作業ができる態勢を整えており、絶妙なタイミングでSC導入を利して素早くピット作業を終えた結果、コースに復帰すると8位のポジションにジャンプアップしてみせた。ピットを終えていた車両に対して、SC導入により我々のピットイン中の彼らのラップが遅くなっていたのと、我々のピット作業の速さが勝った形で、さらにSC導入中でコース復帰後にアウトラップ周で抜かれることもない好都合の結果であった。

 そして、26周を終えるとリスタートとなり、中山は順位を再び上げるべく挽回を狙って攻めていった。だがレース終盤にWHの影響からか思うようにペースが維持できない苦しい展開に。WHが軽い車両に抜かれる悔しい後半となってしまった。WHが重いなりに健闘を見せるも最終的には11位でフィニッシュとなった。

 ドライバーポイントは獲得ならず(計39点)、チームポイントでは3点(計57点)をいずれもランキング6位となった。ランキングトップとの差は広がらずに済み、チャンピオンシップ争いの生き残りをかけて、ウエイトハンディが半減する次戦は、11月7日(土)~8日(日)にツインリンクもてぎにて第7戦として開催される。

■コメント
ヘイキ・コバライネン

「走り始めのコンディションでは、クルマのバランスは良くて仕上がりの良さを感じていたが、次第にクルマのバランスが崩れていったんだ。コンディション変化のせいか、WHのせいか、クルマやタイヤの問題か、一体何で改善できるのかシューティングできずに迷走してしまった感じだ。予選も決勝も本来のパフォーマンスを出せずに低迷してしまったけど悪いデータでも次に活かしたい。次の2回目となるもてぎはウェイトも半分になるし、どの様なパワーバランスとなるのかわからないけど自分たちが上位にいるためには、このインターバルでの準備が重要だと思っている。もてぎでは良い週末になることを楽しみにしているよ」

中山雄一

「ものすごくセッティングに悩み、たくさんのことを試して、限界まで攻めた週末でしたが、結果的にうまくいきませんでした。今回もピットタイミングとピット作業の速さで順位を上げられて、自分の走りもできる限りのことをしながら走って格闘し続けましたが悔しい結果でした。新しく分かったこともありましたし、今回得たことを残り2戦にぶつけて、力強いレースをします。まだポイントランキングは接戦ですからチャンピオンに向けて頑張っていきます。次戦もてぎで何が何でもタイトル争いに生き残れる結果を出したいと思いますので応援よろしくお願いいたします」

監督 脇阪寿一

「走り始めからの違和感。ドライバーも悩みエンジニアも悩み続けた週末。うまく解決できずにレースがスタートして、結果的にクルマに速さが足りずでした。思うように走らないクルマにヘイキと雄一は、レース中も悪戦苦闘でしたが、そのなかで懸命にリカバーしようとドライビングをアジャストしながら走行してくれました。ピット作業も素晴らしく14位から8位で戦列復帰と希望が出る展開に持ち込めました」

「苦しく厳しいなかにもレース後にチームでたくさん話し合い課題を見つけたレース。ほんの僅かな狂いが大きく結果に跳ね返ってくる厳しいレベルのスーパーGTで、今回は悔しいレース結果でしたが、必ず次につなげます。もてぎでも、引き続き熱いご声援のほどよろしくお願い申し上げます」

2020年スーパーGT第6戦鈴鹿 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(ヘイキ・コバライネン/中山雄一)
2020年スーパーGT第6戦鈴鹿 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(ヘイキ・コバライネン/中山雄一)

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