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スーパーGT ニュース

投稿日: 2020.12.03 16:18
更新日: 2020.12.03 16:34

MaxRacing 2020スーパーGT第8戦富士 レースレポート

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スーパーGT | MaxRacing 2020スーパーGT第8戦富士 レースレポート

MaxRacing
レース結果報告書
2020 スーパーGT Rd.8富士スピードウェイ

日時 2020年11月28-29日
■場所 富士スピードウェイ
■車両名 たかのこの湯 RC-F GT3
■ゼッケン: 44
■監督 田中哲也
■ドライバー 三宅淳詞/堤優威
■チーム MaxRacing
■リザルト 予選9位/決勝24位

金曜の夜、一本の電話から始まった週末

 今シーズンからスーパーGT GT300クラスに参戦する新チームMaxRacingのレースレポートを熱血田中哲也監督の目線でお届けします。メンテナンスはつちやエンジニアリングとRS中春がジョイントして担当。監督を含めて経験豊富な体制ですが、ドライバーはスーパーGTへ1シーズンぶり復帰の27歳久保凜太郎と、FIA-F4で19年ランキング2位となった21歳三宅淳詞がコンビを組みます。

 若いふたりをどれだけ成長させられるかが、今シーズン、チームの大きなテーマでもあります。上位にはGT500経験を持つドライバーが名を連ね、超ハイレベルとなっているGT300だけに、挑戦しがいのあるフィールドだと言えるでしょう。11月28~29日、今年4回目となる富士を舞台にラウンド8、最終戦は開催されました。このレースにもこれまで通り、凛太郎と三宅コンビでエントリーしていたものの、チームの事情で、凛太郎から急きょエントリーを変更しました。

 ドライバー変更を決断したのはレース前日、27日夜のことです。「直接、哲也さんから電話を夜8時にもらいました」と話すのは堤優威(ゆうい)です。「6号車に帯同して富士に来ていましたが、ヘルメットを持参していなかったので横浜の自宅へ取りに帰りました(笑)」。

 24歳の優威は、カートで実績を積んだ後、スーパーFJに参戦、昨年は86/BRZレース・プロクラスでランキング3位となりました。スーパーGTでは、MaxRacingと同じレクサスRC Fを使用する35号車を今季シーズン序盤にドライブ。マザーシャシーの6号車にも第7戦もてぎで乗りました。チームが急きょさまざまな手続きを済ませて公式練習には、凛太郎のスーツを借りて臨みます。

「凛太郎はもてぎで厳しい条件のなか予選で速さを発揮してくれましたし、今回、期待していただけに参戦できなくなったのは残念ですけど、そのなかでチームは最善を尽くすしかありません。同じ道具を使っていることもあって優威の35号車での走りはみていました。彼ならちゃんとやってくれるんじゃないかと思いオファーしました」(哲也監督)

 当然、今回は三宅を軸に公式練習から予選を組み立てます。まず三宅が2種類のタイヤを試して、その中古を優威が確認。再び三宅に代わりセットアップやロングランの確認を進めます。ロングランでの安定性を重視した新しいスペックではなく、予選でのラップタイムが期待できる従来のタイヤをチョイスしました。三宅がこのタイヤでマークしたベストタイムは1分36秒924。それぞれタイムを出しているタイミングが異なるため順位は参考にしかなりませんが15番手。Q1突破がみえる位置にいることが確認できました。

 確実にQ1を突破することが最初の目標となるため三宅がQ1を担当します。気温、路面温度とも低いためしっかりとタイヤを温めることが重要です。1周目1分49秒、2周目1分42秒、3周目1分39秒とペースアップ、4周目にベストタイムとなる1分36秒696をマークしてBグループ6番手に食い込みました。同じノーウェイト条件の開幕戦富士ではQ1落ち、第2戦でも他車のペナルティによる繰り上げQ2進出であったことを考えると、大きな進歩をここに実感できます。

 Q2を担当する優威は、今朝、「たかのこの湯 RC-F GT3」を初ドライブしてまだニュータイヤを履いてのアタックはありません。それでも大きなミスなくアタックラップをまとめて1分36秒621のタイムを記録。チーム初年度の大きな目標であるポイント獲得に向けて、可能性を拓く9番グリッドを確保しました。

2020年スーパーGT第8戦富士 たかのこの湯 RC F GT3(三宅淳詞/堤優威)
2020年スーパーGT第8戦富士 たかのこの湯 RC F GT3(三宅淳詞/堤優威)

「昨日の夜、堤さんが乗ることを聞かされてびっくりしましたね。今朝の走り出しは、アタックにいく前にフロントが終わってしまうんじゃないかというくらいにバランスが悪くて正直焦りました。でも哲也さんやエンジニアの河瀬さんをはじめみなさんベテランなので予選に向けてはしっかり直していただいて本当に感謝です。クルマに助けられました。堤さんとはカート時代も同じレースに出たこともなく初対面に近いですが、同じRC Fに乗っていたこともあり走り出しから普通にコミュニケーションがとれました。それも予選結果につながっていると思います」(三宅)

「今年RC F乗っていたので、操作系とかクルマの特性も知っていたのでよかったんですけど、ただチームごとにセッティングなども違って、そこに合わせられるのか不安もありました。朝の練習走行で、ボクは三宅選手が履いた2種類タイヤの中古でアタックさせてもらったんですけど、いままで乗ったRC Fではでなかったアンダーがすごく強くて、それがどんどんひどくなってしまう現象があって、ドライバーの意見をあわせてセッティングを変えてもらいました。予選では気持ちよくアタックができて大きなミスはなかったものの、初ニュータイヤだったのでブレーキが少し余ってしまったのは心残りです。明日はセカンドスティントを担当して、三宅選手と同じタイヤを履くと思うので、前半がどういうラップタイムでどれぐらいタレてくるのかをみながら考えます。あせらずミスせず仕事をこなしたいです」(優威)

「優威は、予選も含めて期待通りに無難にこなしてくれました。富士でトップ10に入れたことは大きな励みになります。ただ、これまでも決勝になると厳しい戦いになることが続いており、上位の公式練習でのタイム推移をみても楽観はできません。いかにタイヤをもたせながらしぶとく走るか、ドライバーに頼るしかないですね」(哲也監督)

2020年スーパーGT第8戦富士 たかのこの湯 RC F GT3(三宅淳詞/堤優威)
2020年スーパーGT第8戦富士 たかのこの湯 RC F GT3(三宅淳詞/堤優威)


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