16周目に#25 VivaC 86 MCがピットイン。やはりタイヤ無交換でコースに復帰する。そして#31 TOYOTA PRIUS apr GTは、次の17周目にピットに呼び寄せることに。
中山選手の交替と同時に行われたの給油のみ。タイヤ無交換で最小限のロスタイムでコースに送り出す。これでいったんは12番手に後退したものの、VivaC 86 MCの前を再び走ることとなった。
ライバルがピットに入る度に順位を上げて行く#31 TOYOTA PRIUS apr GTながら、気になるのは#25 VivaC 86 MCが徐々に近づいてきたこと。そして25周目にはついに真後ろに。
全車がドライバー交代を終えた32周目に中山選手はトップに返り咲くも、すでに宿敵との差は1秒ほどとなっており、34周目のV字コーナーでついに来た。あえて必要以上の抵抗をせず、中山選手は2番手に。
一時は3秒近くにまで広がった差を、チェッカーが近づくようになると逆に詰めもした#31 TOYOTA PRIUS apr GTながら、トップが合わせて走っているのも明らかだった。
そして2位でゴールすることに。その結果、ランキングでも2位に浮上することともなった。
これで2016年の全レースが終了。悔しさがまったくないといえば嘘になろうが、レース終了後のドライバー、スタッフには一様に笑顔があった。2017年はチャンピオンを目指し、引き続き挑戦者として戦う、そんな強い意識が感じられた。
嵯峨宏紀選手
「僕らが採り得るベストな作戦はできたと思っているんですけど、そのパフォーマンスの差、同じ作戦を採った25号車(VivaC 86 MC)に対して平均ラップとか耐久面の差で、完敗でした。
僕らの中ではベストなレース展開だったと思いますし、初めてタイヤ無交換を実行も出来たし悔いは無いです。これ以上やりようがなかったで、力及ばずの結果でした」
中山雄一選手
「作戦は成功だったと思います。それで毎周あとコンマ5秒ぐらい速ければ、勝てたのではないでしょうか。全体的にはいいレースだったと思います。
抜かれた後は、向こうも余力を持っていて、追いついたら離される、また追いついたら離されるって感じでした。
今年、僕たちはノーポイントのレースが多かったので、それが敗因ですね。
新型プリウスになって、クルマのポテンシャルは高かったんですが、初年度ということもあって、トラブルも多く8戦中4戦しかポイントが獲れなかったので、そこは残念に思っています。今年の経験が今後に繋げられたら、最高ですね。」
金曽裕人監督
「最終戦は、全員で出来ることすべてを出し切ったが、2年連続シリーズ2位……。またしても届かなかった。#25はチームが強く、ドライバーも強かったですね。
僕らがチャンピオンを獲れる要素は、この2日間には無く完敗でした。今年はクルマを作ること、速さを追求することで精いっぱいでしたが、来シーズンはもっとチームを強く、レースに強くする為に、ハード面、ソフト面を明日からやり直します。
今年は新型車両の投入によって、非常にハードな一年でしたが皆様の応援、支援でTEAMは救われました。心から感謝とともに2017年は応援下さる皆様の為、我々のプライドをかけてチャンピオン獲得を宣言させて頂きます。悔しすぎて今夜は眠れない……。」