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スーパーGT ニュース

投稿日: 2022.04.20 14:38
更新日: 2022.04.20 15:27

TGR TEAM SARD 2022スーパーGT第1戦岡山 レースレポート

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スーパーGT | TGR TEAM SARD 2022スーパーGT第1戦岡山 レースレポート

2022スーパーGT第1戦『OKAYAMA GT 300km RACE』(4/16~17)岡山国際サーキット(1周3.703km)

 4月17日(日)、今季開幕戦となるスーパーGT第1戦『OKAYAMA GT 300km RACE』の決勝が行われ、2番グリッドから勇猛果敢に勝利を目指していったDENSO KOBELCO SARD GR Supraは、スタート担当の関口が、どこからでも襲いかかる姿勢を見せ、ポールの14号車にピッタリ追従してプレッシャーをかけ続けるオープニング。アグレッシブにトップ奪うチャンスを狙っていたが、300クラスに行く手を阻まれ3位に後退。ピットインのタイミングを伺いながら31周目にトップ14号車と同時ピットインを敢行して勝負を仕掛ける。

 素早いインラップ+ピットワーク+アウトラップで見事2位にバウンスバック。トップと15秒差も12秒差までに縮めて見せた。だが交代した中山がタイヤ表面に大きなタイヤカスが付いてペースが上がらない隙に2台にかわされる。ポジションを落とすもトップ差11秒の4位を走行し挽回を狙っていた終盤に、クルマに何らかの不具合が発生しペースダウンを余儀なくされてしまう。結果、不具合により悔しい8位フィニッシュとなった。

 ドライバーポイントは3点を獲得、チームポイントは6点を獲得し、ともにランキング8位に。予選での速さや決勝での序盤での走りで、その存在感を大きくアピールし、次に乞うご期待となる内容のシーズンスタートとなった。

■事前情報

 期待と不安が入り交じったドキドキ感のなかで待ちに待った2022年シーズンが開幕する。今シーズンはチャンピオンドライバーの関口雄飛選手を迎え入れ、チーム4シーズン目の中山雄一選手とコンビを組む。エンジニアリングも見直して組織として、より堅強になった。シーズン前の各テストでは上位タイムを刻んで速さを見せているDENSO KOBELCO SARD GR Supra。開幕前最後のテストとなったGTA公式テスト富士ではセッション4でトップタイム締めなど良い形でシーズンオフを終え、その成長を続けている。

 開幕戦の舞台となるのは『OKAYAMA GT 300km RACE』(岡山国際サーキット)。4月16日(土)午前に公式練習、午後にノックアウト方式(Q1、Q2)の公式予選で、17日(日)決勝は14時スタート、300km(82周:約2時間)で争われ、ドライバー交代を伴うピットストップは1回が義務付け。サクセスウエイトは各車とも0kgのノーウエイトをの真っ向勝負となる。

 岡山国際サーキットは過去にF1も開催されたことがある中低速中心のテクニカルコース。1周約3.7kmとコース距離が短くコース幅も狭いながらもダイナミックなパッシングポイントがあり、ボディをこすり擦り合わせながら繰り広げられるバトルが手の届きそうな目の前で見られる、迫力ある臨場感いっぱいのサーキット。

 引き続きピットパドック完全隔離など感染予防対策を講じながらの開催ではあるが場内イベントは多数予定されている。3シーズン目で熟成が進むGR Supraは昨年同大会で予選トップ5と決勝トップ4を独占する強さを見せた。TGR TEAM SARDを率いて3シーズン目となる脇阪寿一監督のもと、チーム一丸となって勇猛果敢に開幕戦での勝利を目指し突き進んでいった。

2022スーパーGT第1戦岡山 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)
2022スーパーGT第1戦岡山 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)

■公式練習走行

 16日(土)9時20分から開始された公式練習走行は、前日の雨も上がり快晴に。若干路面がまだ濡れている箇所もあったが気温13度/路面温度18度のなか、85分間のセッションが開始された。まずは関口がクルマの状況の確認のため路面が安定したころを見はからってソフト側ドライタイヤを装着してコースイン。温めに周回を要したが、まずは9周目に1分18秒937とその時点で6番手タイムをマーク。バランスも良く、いくつかの微調整を行った後に16周目からハード側タイヤを装着。

 こちらのタイヤも温まりに時間を要して24周目に1分19秒887のタイム。非常に選択は難しい状況であったが、26周目からは中山がドライブして、ソフト側とハード側タイヤのリピート評価を行ったところでチェッカー。混走セッションは36周を走行して、関口のマークした1分18秒937のタイムで8番手となった。

 午後の予選へ向けてのセット調整についてインターバルで十分な議論を行い、10分間のGT500単独セッションでは、気温16度/路面温度24度と上昇。中山がソフト側タイヤでアタックシミュレーションへ。6周目に1分18秒628の10番手タイムをマークした。公式練習走行ではトータル43周の走行となった。FCYテストまでのインターバルの間でさらに良いセットを得るために調整を図ることに。その後、FCYテスト走行では中山がユーズドのハード側タイヤを装着して6周ほど走行。午後の予選に向けてデータを細かく見て問題点を洗い出して、いっそうのセット修正する必要がある状況となった。

■公式予選
Q1:関口が勢いづける4番手タイムをマーク

 16日(土)Q1開始時点は、気温17度/路面温度28度で風が強く肌寒さも感じるコンディション。ドライバーの全体的な評価が高く暑くなっていくであろうコンディションに合わせハード側タイヤを選択。午前中もなかなか温まらなかったため開始早々にコースインしたファーストアタッカーの関口。前後との間合いと取りながら、じっくりとタイヤのウォームアップを開始。6周目にグリップが出始め、まずは1分17秒666の4番手タイムをマーク。

 目の前でクルマがスピンする不運もあり、引き続いて次の周もアタックを敢行。セクター1で約コンマ2秒削る自己ベスト。セクター2でコンマ3秒削ってくる速さを見せる。セクター3ではグリップのピークを過ぎてしまったか前周のタイム更新ならず。トータルでコンマ2秒ほどタイムアップを果たした関口が、僅差のQ1で1分17秒460の4番手タイムを叩き出し、チームを勢いづけるQ2進出を見事に決めた。

Q2:中山が最終ラップで堂々の2番グリッドを獲得

 Q2開始時点では気温17度/路面温度29度に。中山は関口と同じくハード側タイヤを装着。関口からQ1でのクルマの状況とコースコンディションのアドバイスもらい、同じ様に6周目から2アタックとターゲットを定めて先陣をきってコースインした中山。少し関口より速いペースでタイヤを温めていく。

 まず6周目に1分17秒602の2番手タイム。プランどおりに続く7周目もアタックを敢行して、セクター1をコンマ1秒以上削ってくる。セクター2もコンマ2秒近く削って大きな期待がかかる。セクター3は前周のタイムを僅かに更新ならずとも、1分17秒387とさらにトータルタイムをコンマ2秒以上も縮め、僅差で熾烈なQ2でのアタック合戦のなかで、堂々の2番グリッドを獲得してみせた。公式練習走行で10位に留まったが、そこから修正を図って、開幕戦ノーウエイトでの公式予選は、ふたりのドライバーの気迫あふれる会心の走りでフロントロウを見事に獲得する結果となった。

■決勝
ウォームアップ走行

 17日(日)12時40分から開始されたスタート前20分間のウォームアップ走行は、気温22度/路面温度30度で暖かい陽気に包まれた快晴となった。まず中山がユーズドのハード側タイヤを装着してバランスをチェック。連続してトップタイムを含む上位タイムを連発。7周目からは関口が同じタイヤでクルマの状況を確認。最後にスタートタイヤを装着して関口がタイヤを確認。ウォームアップはトータル14周を走行。8周目に関口のマークした1分20秒549で2番手タイムと好調さを維持する結果となった。

決勝レース
第1スティント:関口が果敢な攻めの走りを披露

 17日(日)14時決勝スタート時点は、雲がなく晴れ渡った暖かい日差しのなかで気温23度/路面温度32度のコンディション。フォーメーションラップ2周の後、いよいよ今季最初のレースがスタート。1コーナーへ良いポジショニングをキープしたまま、2番グリッドから勇猛果敢に勝利を狙っていったDENSO KOBELCO SARD GR Supra。スタート担当の関口が、どこからでも襲いかかるぞという気迫の姿勢を見せ、ポールの14号車にピッタリ追従してプレッシャーをかけ続けるオープニングの展開に。

 アグレッシブにトップ奪うチャンスを狙っていたが、何度も300クラスのラップダウン車両に行く手を阻まれるアンラッキーがあり、3位に後退してしまう。他車がアンダーカットで早期のピットインを始めると、ピットインのタイミングについてコースの空き状況を脇阪監督と無線で確認し合いながら31周目にトップ14号車と同時ピットインを敢行して勝負を仕掛けた。これは同じ順位を争っていた前後のクルマに対してはピットインを遅らせ、その間に空いているコース上をペースアップしてライバルよりも速く走ることで、ピットアウト後に前に出ることを目指すオーバーカット戦略を選択した。

2022スーパーGT第1戦岡山 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)
2022スーパーGT第1戦岡山 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)

第2スティント:中山が奮闘を見せるも不運と終盤の不具合発生により8位フィニッシュに

 素早いインラップ+ピットワーク+アウトラップでオーバーカット戦略が成功して見事2位にバウンスバック。トップと15秒差も12秒差までに縮めて見せた。だが交代した中山がスティント序盤に不運にもタイヤ表面に大きなタイヤカスが付いてペースが上がらない隙に2台にかわされる。ポジションを落とすもトップ差11秒の4位を走行し挽回を狙って奮闘を見せていた終盤には、現在原因調査中ではあるがクルマに何らかの不具合が発生し、まさかのペースダウンを余儀なくされてしまう。結果、終盤に4台にかわされてしまい、今季初戦の決勝は悔しい8位フィニッシュとなった。

 ドライバーポイントは3点を獲得、チームポイントは6点を獲得し、ともにランキング8位に。予選での速さや決勝での序盤での走りで、その存在感を大きくアピールし、次に乞うご期待となる内容のシーズンスタートとなった。

関口雄飛

「予選は目の前でスピンしたクルマがあって少し抑えた部分はありましたが、クルマの調子が良かったですしQ2では雄一が4位よりも前に行けると思ってました。決勝は自分のスティントでは遅い300クラスに詰まってしまうアンラッキーが何回かあって前を追い切れず。スティント終盤はリヤタイヤがきつくなりました。終わってみれば2位スタートから8位フィニッシュと自分の理想とかけ離れた決勝結果になり、自分自身かなり驚いてます。『そんなに甘くない』という言葉大嫌いです。自分にはその言葉は通用しないと考えていますし、早急にチームのみんなと問題解決に努めます。熱い応援をありがとうございました。次の富士で挽回して見せます」

中山雄一

「予選は関口選手にクルマのバランスやフィーリング、タイヤの温め方など色んなアドバイスを頂いて完璧に自信を持って大きなミスなく走れました。しかしあと一歩でポールが取れず、悔しい気持ちの方がいっぱいでした。決勝はコースインして数周してタイヤカス拾ってしまいペースが上げられず。終盤は何かの問題があって直線スピードが伸びず、他車に置いてかれる苦しいレースになりました。今季最初のレースで色々な問題が出ましたが課題は明確。どうやって解決するか。チーム一丸となって、サード式の全員野球で進化します! 次戦、ホームコースの富士で逆襲です。引き続きのご声援よろしくお願いいたします」

脇阪寿一監督

「ノーハンデの開幕戦、予選で2位という結果はシーズンオフのテストで様々なトライを行ったことによるチームの成長と感じ素直にうれしかったです。雄飛も雄一も自信を持って素晴らしい走りを見せてくれました。ですが、決勝では課題が浮き彫りになるレース展開になりました。エンジニアリング的に、その要因が見えてきたと思いますので必ず次戦富士に繋げます。そんななか、ピットストップのタイミング、作業は良かったと思います。レースは結果がすべてですが、その結果を示すために、我々TGR TEAM SARD は精度ある全員野球でひとつひとつ積み重ねて一歩ずつ着実に進みます。ご期待・応援頂いたみなさまありがとうございました。次の富士、頑張ります」

2022スーパーGT第1戦岡山 中山雄一/関口雄飛(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)
2022スーパーGT第1戦岡山 中山雄一/関口雄飛(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)
2022スーパーGT第1戦岡山 脇阪寿一監督(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)
2022スーパーGT第1戦岡山 脇阪寿一監督(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)


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