そんな笹原とコンビを組むアレジだが、ここまでテストをこなしてきて、新体制に対しては“かなりポジティブ”に捉えている様子だった。

「今までテストもいっぱいやってきて、右京(笹原)もスープラにどんどん慣れてきているし、エンジニアとのコミュニケーションもしっかりと取れている。彼は英語も話せるからすごくスムーズに進められていると思うよ」

 エンジニアを含めたミーティングでは、英語で会話するときもあれば、ニュアンスによっては日本語を使うケースもあるとのこと。何より、これまで他メーカーでスーパーGTを戦ってきた笹原の経験が、37号車陣営にとってプラスになっているとアレジは語る。

「新しいアイデアや、昨年までのホンダのフィーリングを彼は知っているから、いろいろなインフォーメーションをもらえて、良いところがすごく多い。彼はスーパーGTの経験もあるから、それがチームにとっても良いと思う」

 昨年は初めてのGT500クラスで苦戦している部分もあったアレジだが、シーズンオフの間にオンボード映像やデータを徹底的に振り返って勉強してきたとのことだ。

「GT500も2年目で慣れてきたし、良いフィーリングはある。クルマは(36号車から37号車に)変わったけど、そこもしっかりと慣れて、よくなる方向に持っていけていると思うよ。今日のセッションでは、最初こそいろいろとあったけど、最後の方はうまく走れて良いデータもいっぱい取ることができたから良かったよ。今年、頑張ります!」

 そう語るアレジの表情をみると、昨年と比べてもピリピリした様子はなく、GT500に慣れつつあるということが、こちらにも伝わってきた。まだまだ課題はあるようだが、シーズン開幕以降も、彼らの進化から目が離せない。

2023スーパーGT富士公式テスト Deloitte TOM’S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)
2023スーパーGT富士公式テスト Deloitte TOM’S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)

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