ただ、Q2セッションは、タイムアタックを担当した古谷選手もチームも納得いかない結果に終わってしまいました。通常はQ1よりもQ2の方がタイムアップするものですが、古谷選手はまったくミスなくタイムアタックをまとめたにもかかわらず、ほとんど僕のタイムと同じだったんです。
太陽が出て路面コンディションが変わったので、僕たちもそれに対応してほんの少しだけセッティングを変えたのですが、それが良い方向には行かなかったと言うことなのでしょう。まだまだ僕たちにはデータや経験が足りないようです。結局、翌日の決勝レースは15番手からスタートすることになりました。
決勝ではスタートから前半2スティントを僕が担当しました。レースではまたクルマのフィーリングが良くなり、どんどん順位を上げられました。これならシリーズポイント圏内はもちろん、もっと上位でフィニッシュできそうだと思うほどでした。
ただ、ピットストップのたびにライバルよりも20秒近く時間を多く使ってしまい、順位を下げてしまった点が惜しかったです。ピット作業そのものだけではなく、ドライバーもインラップ、アウトラップの走り方をもう一度分析して改善する必要があると感じました。
それでも僕が2スティントを走り、古谷選手につないでレース終盤に向けて追い上げようと思っていたんですが、快調に順位を回復している途中でアクシデントが起きてレースは打ち切りとなり、不完全燃焼のまま終わってしまうことになりました。とても残念です。
とはいえ、予選、決勝で発揮した速さには手応えがありました。自分たちのチームにはこれだけのポテンシャルがあるんだという自信が湧いて、チーム全体のモチベーションが高まったように感じます。シリーズ中盤戦がますます楽しみになってきました。
そして僕は6月の第3週、SUGOで開催されるSFLの第2大会に参加します。オートポリスではトラブルが出て表彰台に上がれなかったので、SUGOでは頑張ります。そのために、クルマにも少し直したいところがあるので、エンジニアさんとオンラインでミーティングをして備えます。とても忙しい状況ですが、楽しくて仕方がありません。応援をよろしくお願いします。
<<プロフィール>>
イゴール・オオムラ・フラガ
1998年9月26日生まれ。レーシングカートで数々のタイトルを獲得すると、2017年にブラジルF3でチャンピオンに輝く。2020年はレッドブル・ジュニア・チームに加入しFIA F3に参戦したほか、トヨタ・レーシング・シリーズのチャンピオンを獲得。さらにeモータースポーツでも活躍をみせ、2018年にグランツーリスモ世界王者に輝き、2022年にはスーパーフォーミュラのeモータースポーツ・アンバサダーに就任した。2023年はANEST IWATA Racing with ArnageからスーパーGT GT300クラス、B-Max Racing Teamからスーパーフォーミュラ・ライツに参戦する。
