またディーゼルの肝となる燃料噴射装置にはピエゾインジェクターを使用したコモンレールを用いて最大噴射圧を2500barまで高め、排気には高圧、低圧のクールドEGRを採用したマルチウェイ排出ガス再循環(EGR)を搭載することで、燃焼の最適化によるNOx(窒素酸化物)低減も図っている。
さらに排気側のみ可変バルブリフトシステム“CAMTRONIC”を採用し、冷間時の吸気工程中に排気の一部を燃焼室に戻す制御を行うことで燃焼室内の温度上昇を補助。排出ガス浄化システムを効率的な温度まで早期に暖める ことが可能となり、排ガス浄化性能を高めている。
そして排気の最下流となる最終浄化システムには、エンジン近接型のマウント方法を採用。排ガス温度の低下による浄化効率悪化を防ぐとともに、酸化触媒装置でAdBlue(尿素水溶液)を噴射。その後、sDPF(選択触媒還元法コーティング付粒子状物質除去フィルター)で粒子状物質とNOxを低減し、最終的にSCR触媒でさらに後処理を行う厳重な工程を経ている。
これだけ厳重な環境対応を施しつつ、この”OM656″は最高出力340PS、最大トルク700Nmと、メルセデスのディーゼルモデルとして最大のアウトプットを誇っている。
モデル展開は『メルセデス・ベンツ Sクラス』のその他の例に倣い、FRが右ハンドル仕様、4MATICが左ハンドル仕様となり、価格は1116万~1505万円。デリバリーは4MATICが10月頃を予定し、FRモデルは遅れて11月の納車開始を予定している。


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