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クルマ ニュース

投稿日: 2019.04.16 16:40
更新日: 2019.04.17 10:42

アウディ、近未来シティカーのビジョンを示した『AI:ME』を上海モーターショーで発表

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クルマ | アウディ、近未来シティカーのビジョンを示した『AI:ME』を上海モーターショーで発表

印象的なフロントフェイス:エクステリア

 アウディAI:MEは、バックミラーでもすぐに認識できます。そのフロントフェイスは、六角形のシングルフレームグリルの上下を反転した形状を特徴としています。このグリルは、アウディの電気自動車の象徴となっています。ボディ構造は、典型的なアウディスタイルとは異なる、新しい試みが採用されています。しかし、よく見ると、2017年に発表されたAudi AIconコンセプトカーとの関係性が明らかになります。これらのクルマは、まったく異なるプロポーションにもかかわらず、輪郭が描き出す精密なグラフィックとルーフラインの長いアーチに、明確な類似点を見出すことができます。しかし、この異なる2台の自動運転車のもっとも大きな繋がりは、大きな角度が付けられたサイドウィンドーです。

 それによって、このクルマのエクステリアは、競合車とは一線を画しています。アウディAI:MEは、明確な意図に基づいてデザインされています。ベースとなるのはウェッジシェイプですが、アウディブランドならではの力強いフェンダーデザインがアクセントを追加し、印象的なウィンドウグラフィックと相まって、全体として非常にエモーショナルな形状が生み出されています。そのボディは、コンパクトにまとまっています。アウディAI:MEの全長は4.30m、全幅は1.90mで、コンパクトカーセグメントの範囲内に収まっています。1.52mの全高は、特にインテリアに大きな利点をもたらし、乗員に広々とした感覚を与え、乗り降りがしやすく、十分なヘッドルームを提供します。観音開きの大きなサイド ドアも、乗降を容易にしています。このような実用性にもかかわらず、アウディAI:MEのスタイルは、角ばった商用バンとはまったく異なり、たとえ止まっていても、今にも動き出しそうなダイナミズムを醸し出しています。23インチの大径ホイールが、この外観を強調しています。

他の道路ユーザーとのコミュニケーション:ライティング

 未来の自動運転車において、ドライバーはそのほとんどの時間を運転以外のことをして過ごすことになります。そのため、ヘッドライトが道路を明るく照らす必要性は、限られた時間に限定されることになるでしょう。ここで、より重要な役割を果たすのは、照明のもう1つの機能、つまり他の道路ユーザーとのコミュニケーションです。Audi Alconでは、デジタルマトリクス ルーミナスサーフェイスと呼ばれる新しい照明技術が紹介されました。ここでは、動くグラフィックが、走行条件に関する分かりやすい光のシグナルを発します。もちろん、車両の存在を示すためにも使用されます。

 アウディAI:MEでは、このアプローチをさらに一歩進めています。市街地において、他の道路ユーザーがクルマに非常に接近すると、従来の位置にあるフロントやリヤライトは、見えなくなることがよくあります。このため、アウディの照明デザイナーは、フェンダー上の非常に高い位置にLEDエレメントを組み込むことにより、あらゆる角度からそれを見ることができるようにしています。この360度のコミュニケーションは、歩行者やサイクリストにとって重要な追加の安全機能となります。

 Audi AIconと同様に、フロントのLEDユニットとマイクロマトリクスプロジェクターは、容易に識別可能なシグナルを歩行者に送ることができます。例えば、AI:MEは、歩行者に横断歩道を渡っても大丈夫だというサインを発することができます。これらのグラフィックは、道路や壁に投影することができます。この機能は、ドアの周辺部を照らして、乗員が安全に乗り降りできるようにしたり、車両の存在を示したりするためにも使用します。マトリクスプロジェクターは、車両の周囲を控えめな照明で自動的に照らすことにより、他の道路ユーザーにさらなる安全性を提供することもできます。

 アウディAI:MEの革新的な機能は、これだけではありません。このコンセプトカーは、他のクルマからのシグナルを解釈し、必要に応じて自車のライティングテクノロジーでそれを増幅することによって、周囲にその状態を知らせます。例えば、前方を走行しているクルマが、ハザードランプを点灯した場合、アウディAI:MEはこの信号を検出して、それをプロジェクター及び車両のLEDユニットで増幅することによって、すべての道路ユーザーに危険を知らせることができます。

 アウディAI:MEは、レベル4の車両として、ドライバーが運転を引き受けた場合に備えて、明るいLEDヘッドライト、高い視認性を備えたブレーキ及びテールライトを装備しています。たとえ未来においても、ドライバーが運転する場合の視認性は、夜間でも昼間でも同様に重要です。

長時間にわたって利用可能:駆動アーキテクチャー

 アウディは、AI:MEを市街地走行に適したクルマにするために、的を絞ったアプローチを採用しました。つまりシティカーとしての機能を果たすためには、目を見張るような加速性能や最高速度、素晴らしいコーナリング性能や非常に長い航続距離といった要素は、それほど重要でないことを意味しています。AI:MEのようなシティカーは、ほとんどの場合、20~70km/hの範囲で走行します。また、充電することなく長時間移動できることが求められます。ここでは、移動距離そのものよりも、利用可能な時間という側面が重視されました。

 そのため、エンジニアは比較的シンプルで軽量な基本構造を採用しました。これらの要件は、65kWhの容量を備えたバッテリーユニットで十分に満たすことが可能です。必要に応じて125kW(170hp)の出力を発生することができる永久磁石式同期モーターは、AI:MEのリヤアクスルに搭載されています。市街地で交通の流れに乗るには、これで十分です。制動エネルギー回生及び比較的軽い車重のおかげで、アウディAI:MEは、市街地走行でも非常に高いエネルギー効率を示します。

 アクスル及びサスペンションのその他のコンポーネントは、アウディのコンパクトモデルから流用しています。優れた機能が実証済みのアダプティブダンパーと軽いバネ下重量の組み合わせにより、街中における快適な乗り心地を実現しています。ボディは、ハイテクスチール、アルミニウム、プラスチックコンポーネントによる、軽量な複合素材から構成されています。プラスチックは、主にアタッチメントに使用しています。

アウディAI:ME/インテリア
アウディAI:ME/インテリア


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