運転席はステップが低く、フロントドアは90度まで開くので、乗り降りのしやすさは抜群。シートはお尻部分のクッションが厚く、座り心地が良い。サイズの大きな肘掛けもリラックスできるうれしい装備だ。



ステアリングにはスイッチ類が満載。運転中に視線を動かさずに操作することが目的で、右側にはACCやLKASのスイッチ類が、左側には電話やオーディオを操作するスイッチ類が配置されている。

シンプルな3眼メーターも必要な情報がひと目で確認できるつくりで、中央にはスピードメーター、右にナビ情報や運転支援機能の情報を表示するマルチインフォメーションディスプレイ、左にタコメーターが標準で装備されている。


インパネの中央に鎮座するオプションのナビはタッチパネル式で、操作性は良好。画面も高すぎず低すぎずの位置で、目線の高さに合っていて、見やすいつくりだ。

用途を明確にした収納も豊富だ。運転席から手が届く範囲には、500mlの紙パックがすっぽりと収まるドリンクホルダーや、文房具がバラバラにならないように仕切りのあるホルダーなど、ひとつひとつの収納に開発者のこだわりがうかがえる。

走りに目を移そう。まずはNAエンジンモデルから。乗り込む前は、ターボ車に比べると加速や高速道路での走行で苦労するのではと思っていたが、走り出してみると「おっ!」と声が出るほど、想像以上に力強い加速を披露してくれた。

アイドリングストップのON/OFFもスムーズで、エンジン音も車内の会話やハンズフリーの会話は十分に可能な程度の静かさが確保されている。また、街中では背の高さからくるネガティブさを感じさせない安定した走りと取り回しのしやすさが好印象だ。
続いて、ターボモデルに乗り換えてみた。NAでも加速性能は十分だと感じたが、ターボの余裕のあるパワーが、上り坂や高速道路での合流シーンなどで威力を発揮する。多くのシチュエーションでより安心感のある走りを味わうことができた。高速道路に入って速度を上げていっても、車体はブレることなく安定していた。軽バンのなかでは、総じて走りの質感は高いと言えるだろう。
N-VANは、“軽”サイズのなかで可能な限り広さを確保し、装備もデザインも収納もシートアレンジにいたるまで、細かく丁寧に考え抜かれている。それでいて価格は下位グレードで126万7920円~145万440円、こだわり系の『+STYLE』シリーズでも180万円以下と手が届きやすい設定となっており、コストパフォーマンスの高さも秀逸だ。
部屋で過ごすかのようにリラックスしたり、寝泊りしたり、自分の好きなもので満載にしてみたり。車中泊用にと荷室にカーペット生地を貼り付けるオーナーもいるという。遊びココロのあるオーナーにとって、N-VANは毎日の暮らしや週末のレジャーを一緒に楽しむのに心強いパートナーになってくれるに違いない。





【撮影協力・衣装提供】
A&F https://www.aandf.co.jp/
