土曜日のうちに行われる決勝レース第11戦で、角田に続くのは浦田裕喜(SACCESS RACING F4)だ。最後の最後に2番手に浮上してきたドライバーは、昨年のスーパーFJ鈴鹿シリーズチャンピオン。再開後のアタックでタイヤが残っていた上に、しっかりクリアラップを取れていたのは事実ながら、コースを隅々まで知り尽くしている強みは確実にあったはずだ。そして3番手は宮田で、4番手は笹原。そして、前出の大湯は5番手からのスタートとなった。
迎えた第11戦、レッドシグナルの消灯とともに、鋭く飛び出して行ったのは角田で、これに続いたのは宮田だった。浦田をすぐにかわし、そしてその3人の後ろでは笹原と大湯が順位を入れ替えていた。さらに河野駿佑を加え、さっそく6台によるトップグループを形成。緊張感のみなぎる状態がしばらく続くも、誰もミスを冒さず。
しかし、中盤に入ると、それぞれ一騎討ちの様相を呈するようになり、角田は宮田と、浦田は大湯と、そして笹原は河野との戦いに集中するように。
このなかでもっとも激しかったのが3番手争い。逆転王座に執念を燃やす大湯は、9周目の1コーナーで並ぶも浦田は一歩も引かず、そのままS字へと進んでいくが、あえて引いてみる度量も必要だったかも……。逆バンクでしっかりインを閉めた大湯と絡んでしまい、スピンした浦田はその場でリタイア。この間に笹原、河野が一気に差を詰めるが、幸い大湯のマシンにはダメージはなく、なんとか逃げ切りに成功して3位でフィニッシュを果たす。
もちろん、その最中にもトップ争いは激しく繰り広げられていたが、鉄壁のガードで角田は宮田の逆転を許さなかった。「序盤は後ろとの間隔を気にしながらも、余裕を持って走れていたんですが、終盤になって宮田選手が追いついてきたら、ちょっと焦ってしまった部分もあって。タイヤも厳しくなっていたから、シケインでミスしたりもしていたんですが、その先をしのげれば大丈夫と思って丁寧に行ったら、なんとか抑え切ることができました」と角田。
宮田、大湯、笹原、そして河野の順で続いてフィニッシュ。6位は川合孝汰(DENSOルボーセF4)が獲得した。
