さて注目のプロフェッショナルシリーズ決勝レースだが、ヨコハマのニュータイヤに一発の速さは確認されたが、果たしてコンスタントラップに関してはどうなのか。谷口は好スタートを切って1コーナーにトップのまま飛び込み、2番手には近藤をかわした青木が浮上。このふたりのバトルがさっそく繰り広げられる間に、谷口はオープニングラップだけで1秒2の差をつける。
ところが、これが広がっていくのかと思いきや、青木と近藤は争いながら谷口に近づく一方で、4番手につけていた阪口を早くも振り切っていく。3周目からは3台でのトップ争いは、完全なテール・トゥ・ノーズ状態に。
そこから先の周回は、まさにプロフェッショナルシリーズならではの緊張感がみなぎっていた。3人いずれもミスを犯さず、だから順位には変動はなし。「ゲートは開かなかったね。こじ開けたかったけど、失敗すると後ろから翼が来るし、3人で逃げてから……というのは予定どおりだったけど」と語るのは青木。
一方、なんとか4番手は保ちたい阪口ながら、山下に5周目のレインボーコーナーでかわされ、最後は「ヨコハマの追い上げ担当」を自称する織戸にも迫られたが、辛くも逃げ切り成功。もし、ここで織戸の逆転を許していたら、ヨコハマ勢はトップ5までを占めていたことになるから、阪口にしてみれば面目躍如といったところか。
逃げ切った谷口は、なんと2年ぶりの優勝。表彰台に立つのすら、昨年の第2戦岡山以来となるから、その喜びたるや想像に余りある。
「長いこと我慢を強いられていたので、本当に嬉しいです! このタイヤをヨコハマさんが作ってくれて、僕が一番を獲るのはマストな課題。ここで翼や青木に持っていかれるわけにはいかないと。彼らはタイトルを競っているから、あっちからすると僕の方が空気読んでいないかもしれないけど(笑)」と谷口。
「同じタイヤだから、青木と翼の具合を見て、とりあえずちぎることはできないなと思ったので、慌てずに13周抑え切ろうと。タイヤもマネージメントしながら、無理して『トンビに油揚げ』は困るので、入口をしっかり落として、青木のペースも落として」
「(コーナーへの)進入はとにかくスローインで、出口を速くすれば抜かれない。きっちり仕事をこなそうと、徹底していました」