ST-3でも多くの車両がアクシデントに見舞われる中、中盤からは62号車DENSO Le Beausset RC350の嵯峨宏紀/中山雄一/山下健太/平木湧也組が独走。「本当にチームが一丸となって」と嵯峨、昨年の富士ラウンド以来の勝利を獲得した。

クラスポールだった小松一臣/杉林健一/安宅光徳/古谷直広組がドライブする、14号車岡部自動車KYOSHIN195 Z34はミッショントラブルでピットスタートを強いられ、ポイントリーダーの38号車MUTA Racing TWS IS350の堀田誠/阪口良平/関口雄飛組はセッティングが今ひとつ決まらなかったばかりか、中盤の接触でマシンにダメージを負って、最後までいつものペースで走ることができなかった。また、スポット参戦した加納政樹/本山哲/安田裕信組の35号車SKT team motoyamaは表彰台争いを制し3位に入っている。
ST-4クラスでは、終盤に激しいバトルが繰り広げられた。トップをいくのは86号車TOYOTA Team TOM’S SPIRIT 86の松井孝允/大嶋和也/井口卓人/蒲生尚弥組で、追いかけるのは13号車ENDLESS ADVAN 86の村田信博/小河諒/元嶋佑弥/島谷篤史組。

それぞれ最後のドライバー交代を終えた時、すべてを託した蒲生と元嶋の間隔は40秒ほどもあった。同じ条件であれば、とうてい届かなかっただろうが、蒲生はタイヤ無交換で、元嶋は四輪交換だったことに賭けた。
みるみるうちに差は縮まっていく一方で、元嶋のクールスーツが故障。それでも「本当に気力だ、気力だ、と自分に言い聞かせ……」と、ゴールまでラスト6分で13号車が逆転に成功した。この日はチームリーダー村田の誕生日とあって、最高のプレゼントになったようだ。

ST-5クラスでは、クラスポールの69号車BRP★J’S RACINGホンダカーズ浜松北みきゃんFITの大野尊久/梅本淳一/窪田俊浩/大賀裕介組が、序盤のうちにミッショントラブルを抱えて優勝戦線から脱落。代わってレースをリードしたのは、19号車BRP★J’S RACINGホンダカーズ三重北FITの古宮正信/松田智也/吉本晶哉/奧村浩一組。2号車ホンダカーズ野崎with CUSCO&FUJITSUBOの松田秀士/ススム/山下潤一郎/山西康司組とのシーソーゲームの末に、3年ぶりの優勝を飾ることとなった。
9時間のバトルを終えたスーパー耐久シリーズ。次戦は、10月22、23日に岡山国際サーキットで開催される。

