この2交代制をF1界でいち早く取り入れたのは、じつは2005年のルノーだった。
当時を知るあるエンジニアは「私は当時、BARホンダにいたけど、私たちにはそんなシステムはなく、徹夜で仕事していたから、昼間はフラフラだった」という。ちなみにホンダは2015年にF1に復帰した際もまだ2交代制をとっておらず、長谷川祐介ホンダF1総責任者体制になって、ようやく2交代制が導入されたという。

それにしても、そもそもテストではどうして徹夜で作業しなければならないのか。それはテストメニューが豊富で、かつパワーユニットやギヤボックスの交換がペナルティなしで自由に行えるからだ。
例えば、午後6時にテストセッションを終えた後、翌日のプログラムを決定するのに1時間かかり、そのためのセットアップにさらに1時間、その後パワーユニットとギヤボックスを交換するのにそれぞれ1時間かかり、それだけで深夜になる。その後、交換パワーユニットのチェックに2、3時間かかり、全部組み上がったところで車検のチェックを終えたころには、もう朝となるというわけだ。
なお、バーレーン・テストの次のインシーズンテストは、第11戦ハンガリーGP直後の8月1日と2日にハンガロリンクで開催される予定となっている。