メルセデスはハミルトンのパワーユニットを土曜日の夜に、ESとCEを除くユニットごと2基目に交換。イギリスのメルセデスHPPに送って、トラブルが起きたMGU-H以外にダメージがないかどうかを調査中だ。
パワーユニットを交換したハミルトンには、マシンのセッティングを変更し、スタート直後の1コーナーでの混乱を避けて、ピットレーンからスタートするという選択肢もあった。だが、ハミルトンは「8秒のロス」を嫌って、最後尾からスタート。それが3度目の悲劇を生む。1コーナーまでに4台をパスしたハミルトンだったが、前方で発生したクラッシュのあおりを受けて、後方集団も大混乱。コースに復帰しようとしたキミ・ライコネンを避けるために急な進路変更を行ったフェリペ・ナッセと衝突したハミルトンは、フロントウイングが完全に脱落するダメージを受けて1周目にピットインを余儀なくされ、再び20番手へと脱落する。
レースは4周目にセーフティカーが導入され、後方集団のハミルトンにも上位に進出するチャンスは残されていた。ところが、フロントウイングが脱落した際に、フロアにダメージを与えていたため、ハミルトンのマシンはダウンフォースを大きく失っていたのだ。