MCL「(マーカス・)エリクソンだけがプライムタイヤでスタートする」
FIA F2がそうだったように、この週末のバーレーンはタイヤのデグラデーション予想が難しく、スーパーソフトのデグラデーションいかんによっては1ストップか2ストップかが大きく分かれるところだった。スタートして3周後にはもうタイヤ状況を聞く。
MCL「タイヤはどうだ?」
ALO「まだ分からない。多分OKだと思う」
周りがピットインを始めた13周目には、マクラーレンもピットストップを視野に入れてプッシュの指示を出す。その矢先にランス・ストロールとカルロス・サインツJr.のクラッシュでセーフティカーが導入された。
MCL「100%のペースで走ってくれ。タイヤはどうだ? セーフティカーだ。(SCラップタイムの)デルタ表示に合わせて走ってくれ。BOX、BOX」
セーフティカー走行中に、戦略について打合せをする。ソフトタイヤに換えたアロンソが狙うのは、1ストップ作戦だ。
MCL「さっきのタイヤを見ると摩耗は予想通り。後ろのPAL(ジョリオン・パーマー)、KVY(ダニール・クビアト)、WEH(ウェーレイン)は我々と同じプライムタイヤを履いている。セクター1はもうクリアだ、準備してくれ。ブレーキのウォームアップをしてくれ。セーフティカーがこの周に入る。メインストレートではまだタイヤは温まっていないから気をつけてくれ。できるだけ熱を入れてくれ」
しかし前述の通り、ストレートの伸びを欠くアロンソのフラストレーションは溜まる一方だった。このままでは入賞の望みがないと判断したマクラーレンは、2ストップ作戦に変えて活路を見出そうとする。
MCL「プランBを考えているけど、どう思う?」
ALO「なんでも好きなようにやってくれ!」
MCL「OK、最大限のペースで走ってくれ」
36周目にピットインし、新品のスーパーソフトに換えてプッシュする作戦。ソフトで45周ものロングスティントを保たせて1ストップで走り切ろうとしている前のウェーレインとの差を見る間に縮めていく。
MCL「このペースならWEHを捕まえられる。抜けばP11だ」
しかし後方からはクビアトがエリクソンを抜いて迫ってくる。