F1ロシアGP決勝レース
F1ロシアGP決勝レース

 リードする彼のブレーキングは精確だ。そのポイントがずれるとターンインでアンダーステア気味になり、切り込むとはじけるようにリヤが滑る。今週ソチでルイス・ハミルトンはたびたびそうなり、後輪タイヤをうまく機能させられずにいた。すべてのセッションでボッタスが優り、彼が劣ったのはそこだろう。

 予選3位の彼はセクター・ベストがなく、1はハミルトン、2はベッテル、3はライコネン。すべてのセクターとも2位タイムで、直線主体の1も中速コーナーの2も直角コーナーの3も全域でベター・セットアップを組み上げた。メルセデス4戦目、W08マシン理解度をさらに深めたボッタスの進化が感じとれる。

 バーレーンGP後のテスト二日目、彼は猛暑の日中に143周(2.5レース分)を走りこんでいる。初日ハミルトンは97周だ。誰よりも長く、もりだくさんのプログラムをこなし、マシンを理解することに励んだ。このテストが初勝利に直結したとは言わないが、彼自身にはとても意義があったと思う。

 今年のベッテルはくらいついて離れない。中盤にさしかかった38周目、13コーナーへの“ひねりこみブレーキング”でボッタスが左前輪と右前輪をロックアップ。

 1分39秒193、2位ベッテルよりも1秒劣るラップで4秒以上あったギャップが3秒065に詰まる。ここぞとばかりにチャージするベッテル、39周目2秒254、40周目1秒853、41周目1秒513……。

 追われるボッタスはロックアップした後、しばらくプッシュせずタイヤをかばうような走りに見えた。焦る気持ちを自制してから、44周目にギャップを1秒901に広げた。この間を耐えた精神力はウイナーに値する。

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