1台のF1マシンに、グリッド全体の現代のレーシングマシンに加えてさらに何台かを買えるほどの高い値がつくことは、よくあることではない。しかし、シュトゥットガルトで起きたのはまさにそういうことだ。競売にかけられた希少なメルセデスの『W196R』に、記録破りの5115万5000ユーロ(5301万ドル、約81億4500万円)の値がつき、これまでに売られたなかでも最高額のF1マシンとなった。
このマシンは現在、世界で販売されたクルマのなかで2番目に価値の高いものだ。これを上回るのは、2022年にメルセデス・ベンツミュージアムで行われたRMサザビーズのオークションで、1億3500万ユーロ(約207億2000万円)で落札された1955年製メルセデス・ベンツ300SLRウーレンハウトクーペだけだ。