とはいえ、パワーユニットマニュファクチャラーたちにとっても、開発費を含めると年間2000~2500万ユーロでも元が取れていないので、さらなる価格の引き下げは死活問題でもあり、慎重な姿勢だ。
ただし、エクレストンがちらつかせるハイブリッドなしの自然吸気という代替エンジンが導入されることだけは、なんとしてでも阻止しなければならず、価格引き下げに関しては、かなり譲歩したと言われている。
しかし、そんな状況で、もうひとつ問題が浮上。それは、エクレストンが主張する「供給の保証」について、いまだパワーユニットマニュファクチャラーから確約が取れていないことだ。
エクレストンとしては、昨年末にレッドブルが経験したような事態が再び起こらないようにしたいのだが、車体性能に優れているレッドブルへの供給は、どのパワーユニットマニュファクチャラーにとっても脅威である。なかでも、最も頑なな姿勢を見せているのがマクラーレンのロン・デニスだと言われている。
ちなみに4月26日のストラテジーグルーブ会議では新しいレギュレーション案は通ったが、その後に開かれたF1コミッションの段階で話し合いはストップ。その理由は、参加すべきプロモーターのうち6名が欠席したからだと言われている。その理由は定かではないが、このような重要なミーティングに6名もが、そろって欠席するというのは普通ではない。
F1コミッションは数日間のうちに再開されると言われているが、このような状況を考えると、もうしばらく混乱は続きそうだ。