最後に、日本人ドライバーの可能性だ。山本部長は、ホンダの若手ドライバー育成にも大きく携わっているからだ。
「カルテンボーン代表とは、『良いドライバーがいれば使いましょう』という形で話をしているところです。夏が過ぎて話し合いをすることになっています。ただし、われわれは日本人にはこだわらないし、ゴリ押しもしない。国籍を問わず、いいドライバーがいれば、ホンダは推します。(MotoGPの)マルク(・マルケス)もほかに乗っていたライダーだったのをホンダに乗せてチャンピオンになったわけですから。ただホンダは提案するだけで、あくまで決めるのはザウバーです」
ホンダが育成している日本人ドライバーで、来年F1マシンに乗るために必要なスーパーライセンスを獲得できるのは、現在ヨーロッパでレースをしているF2の松下信治と、ユーロF3に参戦している牧野任祐の2人だが、じつはWECに参戦しているトヨタの小林可夢偉、中嶋一貴にも可能性はある。
「彼らが再び、(F1に)乗るというのはどうなんですかね。日本人が乗れば、日本は盛り上がるんでしょうが……。また、現在国内でレースしている中から、いきなりF1というのも私の中ではない。先日、モンツァでユーロF3を見ましたが、『これが世界なんだ』と感動しました。そういう意味では、牧野は大変だろうけど、いいカテゴリーにいると思っています」