マクラーレンMP4-31のリヤセクションが、すごいことになっている。空力的に、いじりたおしたような状態だ(まだ進化していくのだろうが)。リヤウイング翼端板ひとつをとっても凝りに凝っている。翼端板は定規で線を引っ張ったような長方形が基本形だが、MP4-31の場合、下部は不均一な間隔と長さでスリットが入っているし、そもそも平面ではなく、微妙かつ複雑な三次元形状となっている。

 フロア上面を流れてきた空気はフロア後端で跳ね上げられるが、そのあたりの空気を制御する狙いだろう。翼端板のフロアまで伸びた部位は、複雑にねじれている。湾曲したリヤウイングに呼応するように四角い穴が複数開いているし、その下方にも、跳ね上がる空気の流れに沿うようにして、細いフィンが取り付けられている。

 フロア後端上部に極薄のフィンを2枚重ねにするのは近年のトレンドで、クラッシャブルストラクチャーの下部を埋めるようにパネルを配する手法も、いまとなっては珍しくはない。

マクラーレンMP4-31

 凝っているなぁと感心するのはリヤタイヤの内側だ。このエリアに小さなフィンを積層してダウンフォースを稼ごうとするのは、何年も前から一般的となっている。だが、ねじれた翼端板側、フロアに接するあたりの枝分かれした処理は「ここまでやる?」と唸りたくなるような凝りようだ。

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