F1中国GPフリー走行2回目が始まって早々、エステバン・グティエレスがドライブするハースのマシンが、リヤブレーキから炎と煙を上げながらピットに戻ってきた。リプレイ映像で確認したところ、炎はブレーキディスクを挟んでいるキャリパー部分から上がっているようだった。
リヤだけ、ブレーキがかかった状態になってしまったのだろう。市販車にたとえて言えば、パーキングブレーキをリリースし忘れて走りつづけてしまったようなものだ。ブレーキパッドがディスクを挟んだ状態で走りつづけたので、摩擦によって過熱し、カーボン/カーボンコンポジット(カーボンファイバーを樹脂で固め、蒸し焼きにして炭化させた素材)に火がついた。七輪で使う練炭に火がついたようなものである。
なぜ、こんなことが起きてしまったのか。ここからは推測だが「パーキングブレーキのリリースし忘れ」のような人為的なものではなく、制御のエラーだろう。F1は2014年以降、ブレーキ・バイ・ワイヤを搭載している。フロントは従来どおり、ブレーキペダルとマスターシリンダーとブレーキキャリパーがロッドや油圧配管を介して物理的につながっている。ドライバーがペダルを踏まない限り、ブレーキはかからない。