そんな楽しいいかだレースに参加しなかったチームが3つある。メルセデス、フェラーリ、そしてフォース・インディアだ。理由はそれぞれこうだ。

「通知されたのは2、3日前。チームには『参加して楽しんで来なよ』と案内を出したが、スポーティングディレクターのロン・メドウが『あいにく、先約が入っているので、今回は勘弁してほしい』という返事があった」(トト・ウォルフ/メルセデス)

「連絡が遅すぎたんだよ。土曜日の夜はグランプリの週末で唯一、自由行動となっていて、すでにみんな予定が入っていた。チームとしては、プライベートを優先して、参加を強制することはできなかった」(フェラーリ広報)

「われわれはレースをやりにサーキットに来ているからね」(アンドリュー・グリーン/フォース・インディア)

 これらの説明にやや無理があるのは、いかだレースで盛り上がっているボート場の横に、たたずんでいるフェラーリやメルセデスのスタッフがあったからだ。

いかだレース会場のすぐ脇にたたずむフェラーリクルー
いかだレース会場のすぐ脇にたたずむフェラーリクルー

 今回のいかだレースはリバティ・メディアが主催したが、実際にパドックでイベントをリードしたのはレッドブルだったと聞く。そういえば、スタート前に自チームのスタッフを激励するために駆けつけたクリスチャン・ホーナー代表はメルセデスとフェラーリが参加を見送ったことに対して「ひどい話だね」と非難していた。

 もしかすると、リバティ・メディアとの関係における温度差が今回のいかだレースの出欠となんらかの関係があるのではないかとも考えられる。20年ぶりにいかだレースが復活したこと自体は喜ばしいニュースだったが、その影で政治的な駆け引きが見えてしまう現在のF1は、やはり20年前とは状況が明らかに変わってしまっていた。

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