「動き出した瞬間は普通だったんです。そこからいつもホイールスピンを消すためにクラッチパドルを戻すんですけど、そうするとなぜかアンチストールモードに入ってしまって。実は僕がいつも使っているクラッチをサービス(整備)に出していて違うのを使ってるんですけど、それが良くないみたいです」
そこからアントニオ・フオッコを抜いて4位へ。ピットストップでアルテム・マルケロフにオーバーカットされるものの16周目に抜き返して再び4位へ。落ち着いたレース運びで3番手ラルフ・ボシューンも射程圏内に捉えたが、ここでミスを犯してしまった。
「あれは僕のミスでした。突っ込みすぎてリヤがロックしてFP2の(マックス・)フェルスタッペンみたいになって。セーフティカー走行で後ろが詰まっていたんで、1コーナーでコースオフしている間にビリまで落ちてしまいました」
その後何度も映像を見直したという松下は「あのまま(体勢維持で)頑張ればぶつからずに行けたかも」と語るが、ライバルを意識して焦りがあったことも認めた。
「後ろに選手権を争っている(オリバー・)ローランドがいて『こいつには前に行かれたくない』っていう思いがあったんで、ちょっと攻めすぎてしまったところがありました。いつも冷静にあるべきなんですけど、今日はこっちのクルマが良くなかったということと彼が速かったということもありました」
そうやって冷静に物事を見つめ直し、自分のミスも素直に認め受け容れられるようになった。そうすることによって、ミスから学び、成長できる。