「その段取りとプロセスの管理は、とても大きなチャレンジになるが、このチームはその面でも抜群に優れている」と、トーマスは述べた。
「すべての部門のチームワークはシームレスで、リアルタイムのコミュニケーションが保たれている。各部門の調整のため、1日に2回会議を開いたが、実際には1日中ずっと会議が開かれているのと変わらない。互いに協力しあうために、絶えず会話が行われているからだ」
すべての部品が揃って、クルマの組み立てが始まるのは20日金曜日になり、彼らはモナコへ出発するまでのわずか3日間で作業を終わらせなければならない。
「バランスを考えた適切な妥協と、すばやい判断が重要になる」と、トーマスは言う。「最優先事項はクルマの安全性だ。したがって、サスペンションやその他の間違いがあってはならない『Aクラス』のパーツには特に注意を払い、優先的に手配した。その次が性能に影響を及ぼすパーツだ。言うまでもなく、私たちのクルマにはかなり高い競争力があり、そうしたパーツの入手にも全力を尽くして、可能な限り最良のコンディションでマシンをサーキットへ送り出したい。そのために、チームの誰もが高いモチベーションを持って仕事をしている」