長谷川氏が再びF1を見るようになったのは、ホンダがF1に復帰した昨年から。しかし7年間のブランクを経て復帰したホンダを待っていたのは厳しい現実だった。今回のホンダF1活動を初期から指揮してきた新井前総責任者は「現在のF1の複雑なパワーユニットの世界に挑戦し、これまでいろんな厳しい経験をしましたが、そのプロジェクトに携わることができたことは得難い経験として大切にしたい。ちょっと大袈裟ですが、これまで私がホンダで経験した中でも一番濃密な時間だったと思います」と、2013年5月から2年9カ月の総責任者時代を振り返った。

長谷川氏にも、今回の任命には特別な思いがある。

「第3期でやり遂げられなかった続きをやらせてもらえること自体は、とてもうれしいし、エキサイトしています。その一方で、いまパートナーを組んでいるチームとのプロジェクトは世間からの期待も大きいだけに、まかされた責任の重大さに、これまで経験したことがないようなプレッシャーも感じています。『いったい自分がどれだけのことができるのだろう』と考えると夜も眠れない」

市販車の開発時代から、研究所の上司として長谷川総責任者をよく知る新井氏は、新しいホンダのリーダーにエールを送った。

「F1というモータースポーツの最高峰での戦いでは、これからも大変な時期が待っているでしょう。けれど、彼なら、やり遂げてくれると信じています」

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