レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

F1 ニュース

投稿日: 2016.07.22 20:50

小松礼雄コラム 第10回:ダブルピットの怖さ。10代ドライバーが活躍できる理由

レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る


F1 | 小松礼雄コラム 第10回:ダブルピットの怖さ。10代ドライバーが活躍できる理由

 今のF1はパワステがついていますが、だいたい、他のカテゴリーからステップアップしてきた人たちは最初はみんな「ステアリングが軽すぎる」とびっくりします。パワステのアシスタンスがかなり大きいから、「フィードバックがない」とも言います。でも、そういった文句を言うのは最初の50kmくらいの間で、それ以上走ったら、「あって良かった」とみんな言います(笑)。今のF1はダウンフォースが大きくてコーナリングGも高いので、周回数を重ねるとそれなりにフィジカルが厳しくなる。それでもやっぱり、昔の方がクルマが洗練されていなくて、エンジンのトルクもターボのドライバビリティも今より不安定だっただろうし、シフトやブレーキのフィジカル的な難しさを含めて全然、今の方が楽だと思います。

 その逆に、今の方が厳しい面もあります。それはメンタル的な部分です。ステアリングのボタン操作などは、今の方が比べられないほど複雑です。そこはむしろ、今の若い子たちのほうが全然対応しやすいんじゃないかな。イギリスGP後のテストで2日間、アメリカ人のサンティーノ・フェルッチというドライバーが乗ったのですが、ロータスにいたときのキミ(ライコネン)と比べても操作系の飲み込みが断然早かった(苦笑)。ですので、体力的に楽になったことや、若手ドライバー育成システム(レッドブルなど)が早い段階から整っていることが、今の若いドライバーが活躍できる大きな要因じゃないかと思います。

 話はレースに戻りますが、イギリスGP、結果は全く良くなかったです。走り始めの段階では、ほぼいつもどおりの位置にいました。パーセンテージでいうとトップから2%ちょい落ちのあたりの10~14番手。オーストリアGPはもう少し悪かったけど、オーストリアはメルセデスエンジンがホントに速かったですからね。

 ですので、練習走行や予選はほぼ想定どおりだったのですが、問題はレースでした。ウエットタイヤでスタートして、セーフティカー(SC)が入ってピットインした時に、大きくタイムロスしてしまったんです。ロマン(グロージャン)は(セバスチャン)ベッテルの後ろでピットロードに入ったのですが、ベッテルはフェラーリの2台目、ダブルストップでキミとの間を空けようとして、スピードリミットより遅いスピードでピットレーンを走っていました。厳密に言うとレギュレーション違反になる行為ですが、お陰でその後ろにいたロマンが結構タイムロスして、結果的に1周後に入った(ジェンソン)バトンと(ダニール)クビアトにギリギリ抜かれて、2つポジション落として15位になってしまいました。

■VSCで差が付く上位と下位の差
■ダブルピットの難しさ
■トップから2パーセント差から1パーセント差へ

こちらはF1速報web会員限定のコラムとなります。続きはF1速報有料サイトでご覧ください。


関連のニュース