2018年F1第6戦モナコGP ピエール・ガスリー

 タイヤ交換を済ませたライバル勢のペースが予想よりも上がらない中、前が空いたガスリーは単独走行で自分のペースで走ることができたため、チームはピットストップのタイミングを1周、また1周と遅らせ続けた。トロロッソがガスリーにピットインの指示を出したのは37周目。これはハイパーソフトでスタートしたドライバーの中で、最も長いスティントだった。

 この作戦が功を奏し、ガスリーは1つの上のポジションからスタートしていたサインツの前でコースに復帰。ペレスはタイヤ交換作業でトラブルに見舞われて後退し、アロンソはギヤボックストラブルでリタイア。レース後半、前にいるライバルはオコンだけだった。

 レース終盤、ガスリーと異なるタイヤ戦略を採って追い上げるニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル)を抑え切って7位でチェッカーフラッグを受けたガスリー。第2戦バーレーンGP以来の入賞を飾った。

 レース後、田辺TDはこう言ってチームが採った戦略を評価した。
「チームもあそこでステイアウトすることは勇気のいる作戦だったと言っていましたが、よくやったと思います。もし、周りのライバル勢がピットインしたときに、慌ててガスリーをピットインさせていたら、こういう結果は手にすることができなかったでしょう」

 抜きにくいモナコで、順位を上げるためにどうしたらいいのか。この日のトロロッソ・ホンダはその典型的なレースを行なったといいだろう。

 なお、ハートレーは11番手走行中の71周目にシャルル・ルクレール(ザウバー)に追突されてリタイア。レース審議委員会は、ルクレールのブレーキディスクに問題があったとして、不問に付した。

ブレンドン・ハートレー 2018年F1第6戦モナコGP

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