なぜ、ここに来て、フェラーリ勢はパワーアップしてきたのか。

 ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは興味深い見解を示した。

「あくまで想像ですが、1基目と2基目のPUには大きな違いがあったわけではなく、使い方の違いじゃないかと」

 どういうことか? 田辺TDはこう続ける。

「たとえばですが、1基目のPUは安全圏内でいろんな使い方で走らせみて、予定のマイレージに達したところでPUをバラしてみたら、もう少し行けるんじゃないかということがわかった。そこでベンチで信頼性を確認したうえで、よりパワーを上げた使い方をしてきたのではないでしょうか」

 田辺TDによれば、予選モードにも『松竹梅』があるという。

 つまり、これまでフェラーリ本家が『竹』を使い、カスタマーチームが『梅』モードだったのに対して、2基目からは本家が『松』を使い、カスタマーチームが『竹』を使用してきたのではないかと推測できる。

 しかも、それをまずモナコGPでカスタマーチームで試して、問題ないことを確認したうえで本家がカナダGPで2基目を投入し、グランプリによって使い方を変えていると考えると、ここ数戦のフェラーリ勢の快走も納得がいく。

 今週末の第12戦ハンガリーGPはパワー感度が低いため、PUの性能差は出にくいだろうが、夏休み明け緒戦の第13戦ベルギーGPと次の第14戦イタリアGPは一年で最もパワー感度が高い連戦となる。

 メルセデスの今後の開発は、シーズン後半を占う大きな鍵となりそうだ。

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