巨大な国旗がデザインされたグランドスタンド

 しかし、不思議だったのは、このドイツGPのパドックにはリバティ・メディアの首脳陣がいたことだった。通常、契約が延長する見込みがない最後のグランプリに、首脳陣が来るというのは珍しい。つまり、ドイツGPの交渉はまだ終わっていない可能性が考えられる。

 というのも、FOMはドイツGPの直後にマイアミGPの2019年開催断念を発表。現時点で日本GPも来年以降の開催について交渉中で、イギリスGPも2019年が現在のところ契約最終年となっている。したがって、FOMとしては簡単にドイツGPを切れない事情がある。

 ただし、気になるのは、来年のスケジュールである。それは先週、イギリスGPの主催者が来年のイギリスGPの日程を「7月12~14日」と発表したからだ。おそらく今年の3週間連続開催がかなりハードなスケジュールだっため、来年はオーストリアGPとの間に1週間のインターバルを設けたかったのだろう。

 それが本当であれは、イギリスGPの後、7月に残された日曜日は2回しかなく、1週間インターバルをおいた7月28日がハンガリーGPとなり、ドイツGPが入り込む余裕はなくなる。

 もちろん、イギリスGPの日程には「暫定であり、変更する可能性もある」という注釈もある。つまり、ドイツGPが復活すれば、7月21日に入り、その場合はイギリスGPを1週間前にズラして、来年も再びフランスGP、オーストリアGP、イギリスGPを3週間連続開催することで対応は可能だ。

 今年のドイツGPの観客動員数は、16万5000人(日曜日は7万1000人)。これは2012年の10万人(同5万5000人)、2014年の12万2000人(同6万人)を大きく上回る数字だった。まだ可能性は完全に消えてはいない。

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