先日の『ガスリー密着コラム』でも触れたように、レース後のガスリーは言うまでもなく不機嫌だった。ただしマグヌッセンほど、アロンソへ激しい非難を浴びせたわけではない。「彼のやったことは、フェアじゃないよね」と述べる不満も、どこかおずおずとした感じが窺える。

ピエール・ガスリー 2018年F1第14戦イタリアGP

ピエール・ガスリー 2018年F1第14戦イタリアGP

 競技委員もアロンソの幅寄せを不問にしたし、トロロッソ側もFIAに提訴はしなかった。「たとえそれでアロンソがペナルティを受けたとしても、僕のレース結果が変わるわけじゃないから」と、ガスリーは説明するが、この言い訳もやはりアロンソに対して、腰が引けている感じだ。

 とはいえふたりに対するアロンソのドライビングが、不必要に攻撃的だった印象は拭えない。しかしそれはガスリーが言っていたように、「引退することが決まってるから、ドライビングが変わった」というよりも、むしろ内なる不満を外に当たり散らしたのではなかったか。マクラーレンはシーズン終盤に差しかかろうとしても、戦闘力が向上するどころか、信頼性まで低下している。そんなマシンでF1キャリアを終えなければならない鬱憤晴らしのように見えるのだ。

 そんな現状はアロンソ本人にとっても、彼がF1で輝く瞬間をまだまだ見たいファンにとっても、非常に残念なことである。たとえそれがハースのギュンター・シュタイナー代表の言うように、「そもそもフェラーリからマクラーレンへの移籍を決めたのは彼自身であり、そのことを彼はもっと自問すべき」なのだとしても。

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