トロロッソ・ホンダSTR13は元々低速コーナーが速く、アウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスは見た目以上に低速コーナーが多いためこれがマッチした。さらに、空気が薄くどのチームもマキシマムダウンフォースの空力パッケージで走るだけに、STR13が抱える不利のひとつである空力効率の悪さ、つまりドラッグの大きさもいつもよりは小さくなる。

「コース特性自体は僕らのマシンに合っていると思う。いくつかのビッグブレーキングがあり、低速コーナーも多い。ロードラッグで空力効率がそれほど求められないということもある。エンジニアたちが高地に対してしっかりと対応できれば、コンペティティブな走りができるんだ」

 そう語っていたブレンドン・ハートレーは、グリッド降格ペナルティを受ける必要がなく、メキシコGP初日から常にトップ10圏内につけてみせた。

 第17戦日本GPからメカニカル面に手を加え、車体のレイク(前傾角)セッティングを改善し空力パフォーマンスを安定させるべく努力してきたこともあるが、トロロッソが完成させた新型空力パーツの効果も大きかった。フロントウイングの翼端板、ポッドフィン、フロアに手を加えてきた。

 アメリカGPではガスリー車に装着して試したが「メリットもデメリットも無いような感じ」(ガスリー)だった。しかしデータを分析しセットアップを手直しすることでメキシコGPではこれを装着したハートレー車が見違えるような走りを見せるようになった。

 シミュレーション上では0.05秒ほどの効果しか想定していなかったというが、STR13の弱点であった切り返しで車体に当たる風向きが変わる際のダウンフォース量変化の過敏さがスムーズになり、ドライバーがより安心して限界まで攻められるようになったことでそれ以上の効果をもたらすことになった。

「今回のアップデートはコーナーの入口や出口が前後のコーナーと繋がっているようなところでのリヤのダウンフォース量や空力バランス変化に効果を発揮するようなものだ。コーナリング中のマシンバランスの変化が、まさに僕がシーズンを通してずっとチームに改善を要求してきたことだったんだ。それによって僕は気持ち良く走ることができるようになったし、それがタイムシートの結果にも表われている」(ハートレー)

 Q3進出、つまりトップ10を窺う実力はあるとチームはみていた。

 しかしハートレーはQ2のアタックラップで細かなミスを繰り返し、それを取り戻そうとしてターン12で攻めすぎてロックアップしてしまい、予選14番手に終わってしまった。

「Q1は2ランして10番手でとても上手くいったし、実際のところ今日の僕らの実力はその辺りだったと思う。Q2では新品のハイパーソフトタイヤが1セットしかなくて1回目のランは中古で走らなければならなかった。つまりQ2最後の1ショットしかなかったんだ。最終セクターで何台もマシンが繋がって渋滞していたから、タイヤ温度が充分でないままアタックラップのセクター1を走らなければならなかった。それでもQ3に行ける速さはあったと思うけど、いくつか小さなミスもあったから、最終セクターではかなりプッシュしたんだ。ターン12でフロントブレーキをロックさせてしまってその次の2つのコーナーはかなり妥協を強いられてタイムを失ってしまった」

2018年F1第19戦メキシコGP ブレンドン・ハートレー
2018年F1第19戦メキシコGP ブレンドン・ハートレー

 そして決勝でもハートレーは、スタート直後にロックアップしてフラットスポットを作ってしまい、1周目にピットインを余儀なくされた。

■コンストラクターズランキングでザウバーの逆転を許してしまったトロロッソ・ホンダ

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