その後は最終コーナーの立ち上がりでトラションが不足し、メインストレートでなかなかマーカス・エリクソン(ザウバー)を抜けず最後まで抑え込まれてしまった。

「ペース自体は良かったし、1周目のトラブルがなければ充分にトップ10でフィニッシュできたはずだった。とにかく1周目にフラットスポットを作ってタイヤがダメになってしまったことで今日のレースはかなり厳しいものになってしまった。当初は1ストップ作戦で行くつもりだったけど、1周目にピットインすることになって2ストップにならざるを得なかった。あのフラットスポットの代償は大きかった」

 ガスリーは最後尾から地道な走りでじわじわと順位を上げ、最後はハートレーに順位を譲られるかたちで10位へ浮上。しかしハイパーソフトタイヤでスタートしたガスリーこそ1周目にピットインしていれば序盤にトラフィックに抑え込まれてタイムロスをすることなくもっと前にいけた計算になり、戦略面で完璧とは言い難かった。そしてガスリーもまたトラクション不足で最終コーナーでスロットルを開けるタイミングが遅くなり、エリクソンを抜くことができずに終わった。

「全体的に負けていたのでこの結果になってしまったということですね。我々はパッケージとして弱いところがあるので、最後の最後に追い込んでいってオーバーテイクするということができなかった。他車のスーパーソフトタイヤがタレてきたところにフレッシュなスーパーソフトを投入することで優位に立てるんじゃないかという考えがあったんですけど、実際に蓋を開けるとスーパーソフトのデグラデーションがものすごく小さくて他の人たちも保ってしまったので、オーバーテイクできるだけの差も付かなかった」

 そう語る田辺テクニカルディレクターの表情には、自分たちのポテンシャルを最大限に発揮できず、獲れたはずのポイントを最大限に撮ることができなかった悔しさともどかしさが滲んでいた。

 ガスリーはパワーユニットのグリッド降格ペナルティ。ハートレーはドライバーのミス。そして戦略とトラクション不足。トロロッソ・ホンダが演じてしまった様々な“不充分さ”が、メキシコGPの10位1点のみという不充分な結果に繋がった。コンストラクターズランキングを争うザウバーはクリーンなレースでダブル入賞を果たし、ついにポイントで逆転されてしまった。

「今週はガスリーに関しては不必要なペナルティで足を引っ張ってしまいましたから、今後はレースの足を引っ張るようなことなく普通にレース週末を戦い、自分たちの持っている最大限のパフォーマンスを発揮して戦いたいですね。ブラジルではまたスペック3に戻す予定ですから、チームとして最大限のパフォーマンスを発揮できるクルマを両ドライバーに用意して、残り2戦を戦っていきたいと思います」

 残り2戦、トロロッソ・ホンダにとってはいかにレース週末をクリーンに戦い、持てる実力を全て発揮して結果に繋げることが来季に向けた足がかりになる。

2018年F1第19戦メキシコGP ピエール・ガスリー
2018年F1第19戦メキシコGP ピエール・ガスリー

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