ルノーF1のテクニカルディレクターを務めるニック・チェスターは「当然、最終的には2021年に向けた改定なのだから、今年1年ですべてを変えるのは無理だ」と語る。

「少しずつ変わっていくだろう。正しい方向には向かうはずだから、後続車にとっての追いかけも少しは改善されるだろう。ただし、改定がすべて完了する2021年まで待たないと、全体として何が変わったのかを見極めることは難しいだろうね」

 少なくとも2019年シーズンの初期は、各マシンが似通った作りにはならないはずだ。

「規定にどういう意図が含まれているのか、実際に読んでみなければわからない。10チームあれば、10の異なるソリューションが考えられるだろうし、そのうちのいくつかは我々が考えたこともないものかもしれない」と、フェラーリでエンジニアを務めるジョック・クリアは語った。

 だがそれでも、根本的なオーバーテイク問題の解決にはならないだろう。

 2018年までウイリアムズF1でパフォーマンス・エンジニアリング責任者を務めていたロブ・スメドレーは、「本質的に空力計算で成り立っているF1マシンが、ツーリングカーのように別のマシンを追うことには無理がある」と述べ、さらに以下のように続けた。

「物理学的にあり得ない。マシンというものは、特に現世代のマシンのように大きなダウンフォースを生じる作りになっていると、他のマシンを追うこと自体が困難だという事実を受け入れるべきなのだ。改定で多少は改善されるだろう。正しい方向には向かっている。だが6カ月もすれば、全員そろって元に戻るための解決策を必要としているに違いない」

 それでも、ルールをまったく改定せずに事態をさらに悪化させてしまうよりは良いのだろう。

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