事件はサーキットの外でも起きている。もちろん、サーキットの中で起きているのは言うまでもない。水面下で蠢くチーム、ドライバー、グランプリにまつわる未確認情報を調査員が独自に追跡。ここでは、そんな報告書を一部公開する。
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オリバー・ベアマン(ハース)は夏休み前に“宿題”を済ませ、これで安心して休暇を楽しめるようだ。1年前、スウェーデンで休暇を過ごしていたベアマンは、滞在先の近くに小さなカートコースがあることを知り、コースレコード更新へ挑戦した。
当時について、ベアマンは次のように振り返っている。
「スウェーデンで休暇を過ごしていて、その週に滞在していた場所のすぐ近くにカートコースがあった。偶然だったんだけど、ガールフレンドの家族から『ラップレコードを破らないと』と言われたんだ」
「僕は『簡単だよ』と思っていた。でも初日はコンマ3〜4秒も届かなかった!」
その結果、休暇の大半を市販のレンタルカートの調整に費やすことになったという。
「コースは本当に面白かった。1周わずか29秒の短いコースだったから、とにかく正確さが必要だった。レコード保持者も速かったので、ありとあらゆる手を試したよ」
最終的に一度はレコードを更新したものの、以前の記録保持者が再挑戦し、ベアマンのタイムを再び上回った。しかし今回、ベアマンはイギリスGP後に同地を訪れ、記録を奪い返したことを明らかにした。
「もう取り返したよ。シルバーストンの後に行ったんだ。記録を取り戻すために長い1週間を過ごしたけれど、何とか達成できた。これで太陽の下でゆっくり休めるよ!」
レーシングドライバーの負けず嫌いな性格は、休暇中でも変わらないようだ!
■F1商業化の功労者パディ・マクナリー氏が88歳で死去
現代F1の商業化を築いた中心人物のひとり、パディ・マクナリー氏が先週、88歳で亡くなった。
アマチュアドライバーとして活動し、英国誌『Autosport』でF1記者も務めたマクナリーは、1980年代半ばに「マルボロ」で知られるたばこ大手のフィリップモリスへ移り、モータースポーツの商業部門に進出した。バーニー・エクレストンと親交を深めるなかで、F1の収益を拡大するより良い方法があると確信。エクレストンから挑戦を受ける形で、何もないところから「パドッククラブ」の構想を生み出し、1984年に運営を開始した。
物静かでありながら話術に長けた人物だったマクナリーは、事業開始直後の数回のイベントで破産寸前まで追い込まれた経験を好んで語っていたという。それでも、このコンセプトが成功すると信じ、エクレストンに「だから言っただろう」と言わせたくない一心で事業を続け、ほどなくしてその判断が正しかったことを証明した。
マクナリーの会社オールスポーツ・マネジメントは、多くのグランプリで広告販売権も取得。テレビ中継に確実に映る場所へ広告を配置するビジネスを展開し、彼は複数の面で先見性を発揮した。エクレストンにとって最も成功したビジネスパートナーのひとりでもあった。
CVCキャピタル・パートナーズがF1を買収した際には、マクナリーが保有していた商業権の少数持分を売却し、オールスポーツ・マネジメントも同ファンドへ譲渡した。売却額は2億5000万ポンド(約545億円)と報じられている。その後も5年間にわたって会社を率い、2011年に引退した。
FIAは追悼声明のなかで、マクナリーがF1の「商業的成長に重要な役割を果たした」と功績を称えた。
またFIAは、元上院議員のヘンリー・クラウスも長い闘病生活の末、先週木曜日に亡くなったことを明らかにしている。
ドイツからドミニカ共和国へ移住した両親のもとに生まれたクラウスは、熱心な自動車愛好家として知られ、その指揮のもとで同国の自動車クラブと連盟は大きく発展した。カリブ海地域に存在する多くのモータースポーツクラブの設立にも深く関わり、FIA内部でも要職を歴任。25年以上にわたりモータースポーツ界で重要な役割を担った。
FIAによると、クラウスは世界モータースポーツ評議会のメンバーを14年間務めたほか、FIA上院、サーキット委員会、安全委員会にも所属。今年初めにはFIA名誉会員に任命されていた。
■2023年ラスベガスGP訴訟、リバティ・メディアが最大300万ドル超で和解へ
2023年F1ラスベガスGPのチケット購入者に対し、総額300万ドル(約4億9000万円)を超える可能性がある補償金が支払われる見通しとなった。
F1の親会社リバティ・メディアは、大会初日の運営をめぐる集団訴訟について、原告側と和解することで合意したという。
2023年に初開催されたラスベガスGPでは、フリー走行1回目に緩んだ排水バルブのカバーがカルロス・サインツのフェラーリを直撃。マシンが大きな損傷を受け、セッションは中止された。
主催者は市街地コース上にある同様のカバー約30カ所を手作業で点検し、再固定する必要に迫られた。その影響でフリー走行2回目の開始は2時間半遅れた。
しかし、セッション開始の約1時間前には観客がサーキットから退場させられ、FP2は無観客で実施された。運営に必要な一部スタッフが、定められた最大勤務時間に達していたことも理由のひとつとされている。結果として、90分間のセッションは空のグランドスタンドの前で行われた。
F1側は金曜日のみのチケット所有者に対し、ラスベガスGP公式ショップで使用できる200ドル分のクーポンを提供した。一方、複数日券の購入者には補償がなく、チケット代の払い戻しも実施されなかった。
これを受け、契約違反を主張する集団訴訟が起こされていた。
今回、リバティ・メディアと原告側は裁判を継続するのではなく、和解することで合意したと報じられている。なお、リバティ・メディアおよびラスベガスGP主催者について、訴えられた内容に対する法的責任が認定されたわけではない。
和解案は11月4日に予定されている審理で裁判所の承認を受ける必要があり、補償は集団訴訟に参加した対象者へ支払われる予定となっている。

