■タイヤウォーマーの温度の変更
走行前に使用されているタイヤウォーマーの温度にも変更点がある。フロントタイヤに使用されるウォーマーの最高温度は100℃だが、リヤタイヤのウォーマーの最高温度が80℃に制限される。
これにより、気温が低い環境におけるフロントタイヤのウォームアップがより促され、グレイニング(タイヤ表面のささくれ磨耗)のリスクが減少する。
なおこの変更に伴い、リヤタイヤの内圧は低く設定されることになる。
■トレッドの変更、作動温度領域の拡大
2018年は、シーズン開幕前にバルセロナ、ポール・リカール、シルバーストンの3カ所で路面の再舗装が行われた。そのため、これらのサーキットで行われたグランプリでは、タイヤのオーバーヒートを避けるために通常よりもトレッドの薄いタイヤが導入された。
このトレッドの薄いタイヤが機能し、オーバーヒートを抑制することができたため、2019年は全てのレースでこのタイヤを使用することが決定した。またオーバーヒート抑止策として、タイヤの作動温度領域が少し高くなった。
●コンパウンド毎の作動温度領域
コンパウンド | 作動温度領域(℃) |
---|---|
C1 | 110〜140 |
C2 | 110〜135 |
C3 | 105〜135 |
C4 | 90〜120 |
C5 | 85〜115 |
■ウエットタイヤの変更点
ウエットタイヤには、フルウエットタイヤ(青)とインターミディエイトタイヤ(緑)の2つがある。2018年は、この2つのタイヤにそれぞれ高温用、低温用と2種類のタイヤが用意されていた。
しかし2019年シーズンに投入されるインターミディエイトでは、昨年以上に幅広いコンディションで走行することができるようになり、ウエット路面での性能が向上した。またフルウエットはタイヤの形状が再設計され、耐アクアプレーニング性能が向上。両タイヤの性能が良くなったことにより、シーズンを通してどちらのタイヤも1種類のみが使用されることになった。