Mineoki Yoneya

 それよりも深刻だったのはフェラーリが1分16秒231というタイムを記録し、驚異的な速さを見せたことだ。現時点でのマシンパッケージとしてはこれに及ばないとガスリーは認めた。

「正直言って、無理だったと思うよ。彼らはとても良いかたちでテストを進めているし速さを見せている。RB15は良いクルマだし、ここまでいろんな項目をテストしてきたし僕らにもポテンシャルはあると思うけど、最速の存在ではないかもしれない。フェラーリはかなり速いように感じられるから、僕らもかなりのハードワークが必要になるだろう」

 一発のアタックラップでは、燃料差は外からは分からず、燃料を搭載して走れば実力をある程度隠すことができる。しかしレースシミュレーションではタイヤのライフに合わせてどのチームも燃料搭載量が概ね揃うことから、ラップタイムの比較はマシンのパフォーマンス比較に直結する。

 この日のフェラーリとレッドブルのレースシミュレーション走り始めのタイムを比較すると、0.7〜1秒の差があった。フェラーリがC2、レッドブルがC3を履いていたため実際には0.7秒ほど差は縮まるが、それでも0.3秒ほどの差が残るのは確かだ。

 ガスリーがクラッシュした第2スティントはレースシミュレーションの中でプッシュするような場面ではなかったが、マックス・フェルスタッペンとのチーム内闘争だけでなく、対フェラーリの戦いも意識したがゆえの結果だったのかもしれない。

 いずれにしてもガスリーは8日間のテストで2回目のクラッシュであり、パワーユニットを2基壊してしまった。シーズン本番ではないとはいえ、テストプログラムへの影響を考えれば決して褒められたことではない。地に足を付けてトップチームの戦い方を習熟するとしていたが、思わずそれを忘れてしまったことになる。

 チームとしてもフェラーリとの差を突き付けられたかたちとなったうえに、前日のギアボックストラブルと合わせてまだ一度もレースシミュレーションを完走することができていない。最終日はそれをしっかりと完遂し、開幕戦に向けた準備を整えたいところだ。

2019年F1バルセロナテスト2回目 ピエール・ガスリー レッドブル・ホンダRB15

2019年F1バルセロナテスト2回目 ピエール・ガスリー レッドブル・ホンダRB15
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