実際にターン12の加速地点でスロットルコントロールをミスしてスピンしたり、ターン9の入口で縁石にタイヤを落としてスピンするなど、いずれも不注意によるクラッシュだったのだから、責められても仕方のないところだ。開幕を前にしてすでにチーム内でのガスリーの立場が苦しいものになったことは間違いない。

 パワーユニット面に関しても、ホンダは単一のスペックでできるだけ長く走行し耐久性を確認しようというアプローチだったが、ガスリーのクラッシュによってパワーユニット交換を余儀なくされ、いきなりその計画にズレが生じてしまった。

 テスト3日目から新品に載せ換えて再び走り始めたものの、7日目のクラッシュでさらに大きなダメージを負ってしまったため比較データを収集するにも支障が出てしまった。そして再度投入した最終日の新品は僅か29周しか走るチャンスが与えられなかった。

 ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターは「ホンダとしてやろうと考えていたことはほ全てこなせましたし、あとはそのデータとハード解析を元にさらにキャリブレーションを熟成していきます」と語ったものの、レースシミュレーションを完走していないことやレッドブルとの予選シミュレーションが充分でないことには不安が残る。

 車体側でも新型空力パッケージでのデータ収集を充分に行ないきれなかったなど、ガスリーの不用意なクラッシュがもたらしたネガティブ要素は大きい。

 開幕戦までの限られた時間の中で、実走を行なうことなくどれだけそれを挽回することができるのか。レッドブルとホンダそれぞれの努力とシミュレーション能力に掛かっていると言えそうだ。

2019年F1バルセロナテスト2回目 マックス・フェルスタッペン
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